100年俳句計画3月号(no.172)


100年俳句計画3月号(no.172)

注意
これは視覚障がい者の100年俳句計画年間購読者のためのテキストファイルです。
通常の著作物と同様、許可無く複製/転載することを禁止します。





目次


表紙リレーエッセー
まっことじゃが 桃ライス


特集1
ミニ句集を作ろう!/文:キム チャンヒ


特集2
mhm通信スペシャル まる裏バックステージ2012/レポート 暇人




好評連載


作品
100年俳句計画作品集 100年の旗手
 舞/磨湧/凪太


初学道場 へたうま仙人

雑詠道場 くらむぼんが笑った

放歌高吟/夏井いつき

ART+俳句/岩富士バロン

読み物
私たちの100年俳句計画
月刊句会ライブ報告
JAZZ俳句ターンテーブル/蛇頭
ラクゴキゴ/らくさぶろう
本家 慶弔俳句帖/桃ライス
お芝居観ませんか?/猫正宗
一句一遊情報局/有谷まほろ&一句一遊聞き書き隊
句集の本棚

読者のページ
選句&投句欄 ザ 句会
100年俳句計画掲示板
魚のアブク
鮎の友釣り
告知
マルコボショッピング
編集後記
次号予告




表紙リレーエッセー


まっことじゃが
桃ライス

 昨年のいつき組大忘年会で「まっことマンデー賞」をもらった。後日、高知のマンデー農園から段ボール山盛りの無農薬野菜が奈良の我が家に届いた。
 人参は沖縄人参。カブは韓国カブ。珍しい野菜もマンデー氏手書きのレシピ付で同梱されている。
 赤いジャガイモがあまりにも美味しいので、種芋用に少し残し、この春にうちの畳一枚ほどのミニ畑に植えることにした。
 予定では5月に収穫。そして種芋を残し、またそれを秋に植える。収穫した赤いジャガイモは「まっことじゃが」と命名し、今年の大忘年会の賞品にしたいのである(希望的観測)。
うちのミニ畑の名前を「マンデー農園風」にした。日曜大工のごとく、畑作業をする日を、なるべく月曜にしようと決めたのだ。


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特集1

ミニ句集を作ろう!


文:キム チャンヒ

 俳句を始めて何年も経ってくると、いつの間にか俳句も溜まってくるもの。そんな俳句を集めて、いつかは句集を作ってみたいと思う人は結構多いはず。しかし、実際に句集を出版するとなると、費用もかかるし、思いつきが悪いもの。
 そこで、誰もが簡単に、しかも世界に一冊なんかではなく、出来るだけ沢山の本を自力で作れないだろうか、と考えたのが今回の企画。
 俳句を愛する小学生が集まり、手のひらサイズのミニ句集づくりに挑戦。そのレポートをお届けする。


簡単に句集を作ってみたい
 俳句を集め、並び順を決め、句集にまとめ、本にする作業は、俳句を作る作業とは違った楽しさがある。
 しかし、実際に句集を出版するのは、誰もが簡単にできることではない。逆に、誰もが簡単に自分の句集を作れれば、どんなに楽しいだろうかとも思う。
 例えば、子どもたちが一年の成果として、小さな句集を作り、それを友だち同士で交換し合ったりすることが出来れば、俳句の楽しさは、倍増するはず。どうにか実現しようじゃないか。

表計算ソフトで簡単句集作り
 世界にたった一冊の本を作るのだったら、手書きでもいいので簡単にできるのだけど、やりたいのは、「出版ごっこ」。今回は、両面印刷の手間を軽減するために、A4の用紙一枚に両面印刷したものを切り取って一冊の本にすることにした。
 それを実現するには、少なくともパソコンとプリンターが必要。最近は、ほとんどの家庭にそれらはあるので、問題なし。逆に問題となるのは、使うソフト。
 文章を入力し、印刷するのに適しているのは、ワープロソフト。しかし、ワープロソフトで、一枚の紙に複数のページをレイアウトするのは、意外と難しい。また、本を作るために印刷するとなると、隣り合うページは大体表面と裏面に分かれてしまう。それはつまり、各ページを順番通り入力するのが難しいということでもある。
 入力の手間がかかる作業は、やりたくない。そこで、思いついたのが、表計算ソフトを使う方法。一つのシートに一覧で俳句を入力し、他のシートで印刷用にレイアウトすれば、面倒なことを考えなくてすむ。
 今回は、表計算の枠をセンチ単位で調整できる、無料オフィスソフト(OpenOffice)を使用して、句集制作用データを作った。

ミニ句集制作の手順
 1 OpenOfficeがパソコン内にインストールされているかどうか、確認する。無ければ、ダウンロードしてインストールする。
  http://www.openoffice.org/ja/
 2 句集制作用データをダウンロードし、ファイルを開く。
  http://marukobo.com/mini.zip
 3 「■入力シート」に句集のデータを入力する。
 4 「表紙の見本」シートから気に入った表紙を選び「■句集印刷シート」に貼り付ける。
 5 「■句集印刷シート」をA4の用紙に両面印刷する。(表紙のみカラー印刷すると美しく仕上がる)
 6 印刷した紙を切り取り線で各ページに切り取る。
 7 表紙の裏表を貼り合わせ、厚くする。
 8 表紙を含め、各ページをページ順に折って重ね、真ん中をホッチキスで留めると完成。(綴じた後にカッターなどで本の端を切りそろえるとキレイに仕上がる。)

30句の句集を作ってみる!
 ミニ句集作りに参加した小学生は3名。いずれも、「夏休み句集を作ろう! コンテスト」に応募した強者たち。
 今回作ったデータは、本文のページが16ページあり、1ページに印刷する俳句の数を1〜3句まで自由にレイアウトすることも可能。1ページに1句ずつ入れると16句、2句だと32句、3句だと48句まで印刷できる。
 今回は、それぞれ30句の句集を作ることにした。まずは、使う俳句を選び、30句にまとめる作業。一覧にまとめて書くと分かりやすい。句集コンテストに応募した40句の中から、30句を選び書き写す参加者たち。俳句を作るのではないので、作業は結構早い。
 俳句を選び終えると、いよいよ句集のデータ入力。「■入力シート」に、本のタイトル、作者名、俳句(30句)、それに発行日(奥付)のデータを入力。
 入力が済むと、今度は表紙選び。「沢山見本があって、選ぶのが難しい」など、あーだこうだと言いつつ、「表紙の見本」から、好きなデザインを選ぶ子どもたち。
 表紙を選べばデータは完成。早速印刷開始。今回は、一人7冊分ずつ印刷。印刷が終わると、これからが本番。
 まずは、表紙の両面を貼り付けて厚くし、半分に折る。この作業で、表紙がしっかりし、しかも両面カラーになるので、ミニ句集が立派になる。
 他のページも全て折り線で折り、ページ順に重ねて、ホッチキスで留める。ページの端をカッターで切りそろえると、完成!

句集を交換しよう!
 本が完成しだすと、徐々に気分が高揚する子どもたち。最後には、できあがった句集にそれぞれサインをし、交換しあった。
 今回は句集を入れるケースも制作(見出しの写真)。これもA4の用紙にカラー印刷をして切り抜き、印刷された数字の順番にのり付けして組み立てると完成する。
 今回作った句集制作用データは、俳句一つ一つに作者名を入れることもできる。一年の成果をまとめたり、クラスの句集づくりに活用して頂くと嬉しい。


オープンオフィス(ソフト)
http://www.openoffice.org/ja/

句集制作用データ
http://marukobo.com/mini.zip



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特集2

mhm通信スペシャル まる裏バックステージ2012


レポート 暇人

 去る1月8日(日)、愛媛県松山市子規記念博物館にて第10回高校生以外のためのまる裏俳句甲子園が開催されました。
 過去最多32チームの中から優勝を勝ち取ったのは「肱川荒らし」(天玲、瀑、まとむ)。
 今月はmhm通信を2ページに拡大し、「まる裏」の裏側を中心にお伝えしていきます。


 第10回のまる裏、参加された皆様は楽しめましたでしょうか?
 今年のまる裏の裏では、どうやったら効率よくかつ参加者が笑顔で大会を過ごせるか、一年間あねご代表の強烈な指導? のもと、いくつかの改善がおこなわれた。

混乱する入り口を整理せよ
 私、まる裏に関わるようになってから三年、ほぼ毎回、受付をS奉行と担当している。毎年入り口で混乱が発生し、どうすれば良いか話し合った結果、受付を講堂外のロビーに置き、一般受付と広告出稿された方用の受付を分けることに。結果、混乱もなくスムーズにいけたのではないかと。まだまだ改善して欲しい点があればぜひmhmの会議でご意見を。

大短冊の電子化を
 まる裏の舞台裏で毎年苦労するのは、午後からの試合に使われる「大短冊」の準備。前日に下準備をし、当日は、試合の流れとあわせて「書道隊」の皆さんは俳句を書き、スタッフはドライヤーで乾かすという「腰の痛い」作業があった。毎年舞台裏で奮闘する三津浜わたる副代表をはじめ舞台裏の人間はほとんど試合を観られない状況があった。そこで今回思い切って「大短冊」をやめ、プロジェクター等ですべてを補うことに。このアイデアが出たのは第13回俳句甲子園愛媛県予選、愛媛CATV会場で同じ事をおこなっていたから。キム事務局長が試行錯誤の末にシステムを作り、当日データ入力を正人氏が担当。色々なトラブルが発生したものの、この試みは成功したのではないかと。私も腰を痛めずにすんだし。そうそうこの試みのおかげで「大短冊」の心配がなくなったからか、「書道隊」で活躍されていた書道家天玲さんのいる「肱川荒らし」が優勝。
 今回のまる裏、「俳句甲子園」のOB、OGチームが数チーム参加した他、昨年の俳句甲子園で活躍した神奈川県立厚木東高校の俳句部担当の先生が参加、そして総エントリー数も32チームに増加! と、1年かけて準備をしてきたスタッフは感激、感謝!
 まる裏の打ち上げで呑んだビールがどんだけ美味しかったか。
 今後の課題はさらなる参加者開拓。もっと俳句を愛する人たちに「まる裏」を会場で観てもらいたい、そして参加して欲しい。そのためにmhmはまた1年をかけて準備をしていく……。


次回は「新人来る」です。
 まる裏に参加されて興奮された方、今度は運営も一緒にやりませんか(運営に関わっても試合に出られます)。


 mhmでは、ひきつづき松山市内外問わず会員および役員を募集中です。原則、毎月最終火曜日19時からマルコボ.コムにて会議がおこなわれます。偶数月は懇親会も開催! 興味のある方は事務局(マルコボ.コム内、キム チャンヒ)まで。



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読者が選ぶ人気俳人!

100年俳句計画作品集 100年の旗手


(2012年1月号 〜 2012年3月号 3/3回目)


 木の芽風 舞 

フェルメールの青を見にゆく二月かな
冴返る道玄坂のとつかかり
古着屋に求む端切れや梅真白
地下通路長々歩く遅日かな
ぼこぼこのトタンを踏んで猫の恋
大胆に事運びをるチューリップ
用紙切れの合図ピーピー春浅し
人影のそよと過ぎりぬ春障子
春の泡とけてロイヤルミルクティー
順番に開ける抽斗木の芽風


 関東在住。2007年9月俳句の缶づめ初投句、2008年2月ロマンチカ句会初参加、現在に至る。



 さらば春の鹿 磨湧

バックミラーに愛を嘆いて立春
東風吹いて男らしさは置いてきた
寒戻るあいつの二番目の愛車
梅が香と勝手に開いた玄関と
朝食はパンにルートを挟む雨水
木蓮の見つめる斜め前も雨
寝違えた首はこりごり目刺食う
亀鳴くや目頭ツーンとなる日暮れ
草の芽に見つめられたる午前二時
さらば春の鹿弱点は見破った


 お喋りでお調子者。
 それでいて恥ずかしがり屋。
 そんな中学2年生である。



 嘘をつきそうな 凪太

数の子を噛まば求婚五秒前
淑気あるバス停の名は学校町
銀紙の剣を右手に鬼やらい
返礼の言葉浮かばず梅二月
蕗味噌や独りに慣れたわけじゃない
春愁は二人を印象派にして
蛤のこれから嘘をつきそうな
ヒロインの泣けば許され浅利汁
帰宅部のにぎやか春の水明り
寅さんと呼ばれてうかれ猫来駕


 新潟の自営業、凪太です。
 辰年の年男です。



次回4月号〜6月号
連載者決定

 1月から3月末までの期間、「この人の作品集を読んでみたい」という気になる俳人を、1人3名まで推薦していただきました。
 その中から推薦の多かった方に、編集室より原稿依頼を行い、次回4月号〜6月号までの連載を行う組員が決定いたしました。

 みちるさん
 緑の手さん
 朗善さん

 3名の方には4月号から、作品集を連載していただきます。
 お楽しみに!


随時推薦募集中

 次々回連載者の推薦も募集しております。集計期間は3月末までとなります。集計は累積ではなく、毎回新たに集計しています。
 また、今回連載を行っている3名の方への感想もお待ちしています。よろしくお願いします。



百年琢磨
先月号の「100年の旗手」に寄せて

 言葉がつくる現実 津川絵里子

「月と確率」 磨湧
吸入器一生パジャマで生きていく
 この頃はあまり見かけなくなった吸入器と「一生」「生きていく」との取り合わせは、そのまま読めば悲壮な感じがしなくもないが、どこか可笑しみがある。それは「パジャマ」のリラックスした感じ(見た目も言葉の響きにおいても)を合わせることで、自分の滑稽さを客観的に見ているからだ。

人間に生まれる確率山眠る
 面白いことを考える人だと思う。〈エースの確率竹馬乗れる確率〉という句もあり、確率が好きなのか。さて、人間に生まれる確率はどれくらいなのだろう。「山眠る」が不思議な雰囲気を醸し出しているが、確率はそれほど高くはなさそうな気がした。

「生きる」  凪太
元旦の電子レンジに呼ばれたり
 元旦の畏まった、誰しも特別な思いを持って迎えるであろう一日と、電子レンジの醸し出す日常性とのギャップが面白い。電子レンジを擬人化することで生活感が出た。

柳美里のぱたんと倒る四日かな
 おそらく書架の柳美里の本が偶然倒れたということなのだろうが、これだと本人が倒れたみたいだ。しかも正月四日に。変わった句だが、「ぱたん」が重くなくて良い。

寒稽古生きる男と書いて甥
 生きる男と書いて甥、言葉だけで作った句かと思ったが、「寒稽古」で現実味が出た。親子のような束縛がない、ゆるやかな甥との関係が、冷静かつ温かいまなざしとなって句に現れる。

「山に雪」  舞
手袋に指を沈めて居丈高
 穏やかな状況ではないが、「指を沈めて」によって、居丈高に振る舞ってはいるものの、そんな自分を客観的に眺めているような、複雑な心の襞が垣間見える。

熱燗や鞄を椅子に座らせて
 単に椅子に置くのではなく、座らせる。大切な鞄、特に仕事用のものなのではないかと思った。鞄を、そして自分自身を熱燗で労っているようだ。

焼きそばにもやしたつぷり山に雪
 焼きそばにもやし、山に雪、全く関係の無いものを持ってきながらどこか響きあっている。リズム良く楽しい句である。



津川絵里子(つがわえりこ)
1968年生れ。「南風」所属。句集『和音』。平成19年、俳人協会新人賞、角川俳句賞受賞。



読者の感銘句

ほろよい 「人間に生まれる確率山眠る 磨湧」「めでたき名選びて有馬記念かな 凪太」「三毛猫の突破したるよ白障子 舞」が面白かったです。

三月 「吸入器一生パジャマで生きていく 磨湧」「元旦の電子レンジに呼ばれたり 凪太」「焼きそばにもやしたつぷり山に雪 舞」来月も楽しみです。

しんじゅ 「元旦の電子レンジに呼ばれたり 凪太」「柳美里のぱたんと倒る四日かな 凪太」正月の家の匂いがしてくるようで好きです。
「花の色を着たくて足袋は大きくて 磨湧」「吸入器一生パジャマで生きていく 磨湧」う〜ん大人になっていっていますね。揺れる少女期の心の変化が美しいです。
「凍つる夜の爪先立ちて行く二階 舞」「番号札立てて春待つカフェテラス 舞」日常の何気ない生活を新鮮な角度で切り取って見せてくれる舞さんの句が大好きです。ああなるほど!なんだけれど、新しいんですよね。



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初学道場 へたうま仙人


文責:大塚めろ

 4月号から雑詠欄が変わります。今月号までは雑詠欄に投句された俳句の中から、組長がへたうま仙人にお任せする俳句を選び、へた俳句を救済しましたが、4月号掲載分(2月末締切)からは、「へたうま仙人」または「くらむぼんが笑った」のどちらかを読者が選び、どちらか一方にだけ投句を行います。


開花の遅れた梅の便りもようやく聞かれるようになった今日この頃ぢゃが、皆様いかがお過ごしかな? 今月も気に入った句を紹介するからどうぞよろしくぢゃ。

境内のどんどの煙手繰り寄せ えつの
 目に見えるような光景ぢゃのう。作者の動きも周りの様子もよくわかるぞ。へそ曲がりとしては、手繰り寄せた煙がどうなったか知りたいのう。

風花や友は葬儀を仕切り終え コナン
 風花がまるで魂のようぢゃ。切ない中にも残った者の前を見据えたたくましさが現れておるのう。余韻の広がる句ぢゃ。

ボンネットのボンボンボンと冬銀河  親タカ
 リズムの良さが心地よいのう。だんだん冷えていく並んだボンネットと冬銀河が遠くで響いているようぢゃ。いっそのこと「の」をのけたらもっとリズミカルになるかもしれんな。

ねこにげて寒さにふるえまいもどる  柊つばき
 気ままなくせに内弁慶な猫の気まずそうな顔が目に浮かび、なんとも滑稽ぢゃ。まるで起承転結の四コマ漫画を見ているようぢゃ。ねこを人間の名前に替えると、身につまされる人もかなり居る筈ぢゃて。

牛鍋は吉野屋だけと違うぞね ペプチド
 こんな張り紙が町かどの食堂に張ってあったら迷わず飛び込むぢゃろうな。俳句は季語のCMかもしれんのう。

神様の意のままに飛ぶ綿虫よ 小木さん
 下五の「よ」に作者のこだわりを感じるのう。問いかけた先には何が見えるのか、なにも見えんのか、ひょっとして神様もわかっておらんのかもしれんなあ。

無惨なり花つけすぎし山茶花や 未々
 花を付けすぎた山茶花を「無残」と思う作者の感性がうらやましいぞ。語順をいろいろ変えてみたらもっともっと印象が変わるかもしれんぞ。

冬青空に電線あやとりは苦手 あらた
 電線からあやとりに思考をずらしていくあたり、なかなか曲者ぢゃのう。その上「苦手」と来たもんぢゃ。黒いくらい深い冬空の青が余計鮮明に脳裏に焼きつくのう。

元旦や父は余りの福袋 コーケン
 父の存在自体が「余りの福袋」なのだ、と読んだら読み過ぎかの? めでたさと情けなさのバランスがうまく取れていて、すっとぼけたいい味を出しておるのう。

また正月俳句はちっとも進歩せず 三竜
 「また正月」に哀愁を感じるのう。その気持ちようわかる。ぢゃが、進歩しないことに気付くという事は、確実に進歩しておる証拠じゃ。こんなふうに自分を客観的に見る作者の視線が好きぢゃ。

冬舞台アコの蛇腹がカノンなり  オレンジ日記
 ン?? アコーディオンでパッヘルベルのカノンを演奏しておるのか? それにつけても、蛇腹とカノンの距離が絶妙ぢゃ。蛇腹のうねりがカノン(追複曲)のようぢゃ。

あのどじょう窒息寸前泥もぶれ エノコロちゃん
 「泥もぶれ」がいい味を出しておるのう。「泥まみれ」では、泥まみれよりもっと泥もぶれのどじょうの喘ぎは聞こえんけんのう。まさに方言の勝利ぢゃが、ただ、「あの」だけがちょいといただけんのぢゃが……。

一月や落ちた俳句はゴミならず 豊原清明
 その通り! 自句を選句して落っことした句も決してゴミではないですけんのう。ゴミ箱をひっくり返したとき、何でこれを捨てたのか?と不思議になる程の宝物が出てくることも稀にあるからのう。ゴミを宝に変身させるのもまた己ぢゃ。なんての。ふふ。

 今月もお付き合いいただいて恐縮ぢゃ。来月からは、ワシへたうま仙人宛の句のみの掲載となる。紙面の都合で全部の句は紹介できんかもしれんが、出来るだけ紹介するけんの。油断召されるでないぞ。


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雑詠道場 くらむぼんが笑った


夏井いつき選


今月の天
水餅に微弱電波のごとき泡 きうい

 いやはや、この比喩に参った! イマドキの餅といえば、ビニールに個別包装され、優秀な乾燥剤に品質を守られているわけで、「水餅」なんぞという保存方法はすでに絶滅寸前であるに違いない。が、昭和を生きてきた我が世代にとって、この「水餅」は驚くべきリアリティーをもって迫りくる、呵々大笑な比喩。
 暗い水の中で「水餅」は生きているかの如き「泡」を発し始める。その「泡」は「微弱電波」の如く微かにして生温く、「泡」の発生によって濁ってゆく水は「餅」自身をゆっくりと衰えさせる。
 「水餅」「微弱電波」、遠く離れた二つの言葉が「ごとき泡」の一語によって詩へと変容する、比喩の醍醐味というべき一句。


今月の地
待春の柩の中の明るさよ 神楽坂リンダ
 季語「待春」に「明るさ」という語が添えられるのは当たり前の感覚だが、それが「柩の中」の明るさであると表現されたとたん、一句は強いオリジナリティーを持ち始める。白木の「柩」という空間の「明るさ」が静かな悲しみを満たしていく。

大寒の生徒千人入場す 桜井教人
闇汁へ伸びて清盛らしき腕
 前句、季語「大寒」と数詞「千人」がガッチリと噛み合った一句は、作者の実生活から生まれた手応え。後句、「清盛」は作者が持つ歴史テーマからの発想。伸びてきたのは「清盛」の「腕」ではなかったかという幻想を季語「闇汁」がガッチリと受け止める。

レントゲン車の暖房へ息を吐く  ポメロ親父
 息を吸って、止めて〜吐いて〜という指示に従って吐いた「息」。「レントゲン車の暖房」の空気へ吐かれた息は、別の熱さをもって認識され、やがて「暖房」の息に溶けていく。

咳込んで足湯波立たせてしまふ あねご
 和やかに「足湯」を楽しんでいたのだろう。思わず「咳込んで」俯くと、「足湯」に突っ込んだ我が足を起点としてさざ波が起こっている。「足湯波立たせてしまふ」のささやかなシマッタ! 感が可笑しい一句。

鼻歌に力の入る寒さかな 八十八
 たかが「鼻歌」であるのに、気がつけば妙に力んでいるのに気づく可笑しさ。自分の行動をほんの少し突き放す客観視は俳人の視線。下五「寒さかな」の詠嘆が俳諧味を支える。

ジーザスのごとくスキーの板担ぐ  ソラト
雪へ子のニヨツキのやうな足の裏  初蒸気
 A=Bの比喩の落差を巧く使った「ジーザス」。「ニヨツキ」の美味そうなぷくぷく感の見立て。それぞれの説得力に納得した二句。ちなみに、「ごとく」は文語にして、比況(〜似ている)を意味する助動詞「ごとし」の連用形。「やうな」は(歴史的仮名遣いではあるが)口語にして、比況を意味する助動詞「ようだ」の連体形。

海峡の初日展望風呂熱し 大五郎
 「海峡」の「初日」を見たという句ならいくらでもあるが、下五「風呂熱し」が圧巻。海に程近い露天風呂か。豊かな新年の迎え方が羨ましい。

外線は豆撒きについてお問い合わせ  木琴
 イベントとしての「豆撒き」も盛んになってきた昨今、「外線」に掛かった電話は明日の「豆撒き」の時間についての「お問い合わせ」か。市役所広報課の窓口が思われて愉快。

出力はゼロや寒九の監視板 さち
 「出力」「監視板」の二語から、停止中の原子力発電所を想像した。「〜ゼロや」の詠嘆へ、「寒九」という季語が突き刺さるかのような一句。

鯛焼をふたつに分けて眼のさみし 鯉城
焼きねぎはチクショウ鼻につんとくる  三竜
 前句、「鯛焼」を分け合ったという句はいくらでもあるが、下五「眼のさみし」に心がツンと反応する。
 後句、熱い「焼きねぎ」の美味さは語るまでもないが、「チクショウ」という台詞の裏に、情け、涙、別れ、追悼など様々な思いを想像させられる一句。


今月の人(じん)
真冬日のふつふつ動く牛の腹 牛後
待春の詩になるための一ピース
水仙よ息甘くせよ身固くせよ てんきゅう
春めきてベルルスコーニは半笑ひ
きらきら星鳴ってストーブが停止 さち
吉原や投げ込み寺の門に雪
国境の非武装地帯鶴孤高 ほろよい
鳶職の朝の足場の息白し
DNA鑑定は白玉子酒 恋衣
本家より通夜の帰りの冬蕨
道に置かれし花束の氷りけり 朗善
立春の男に髭を剃る仕事
集会所ヤカンの中の玉子酒 のり茶づけ
七草やふつふつふつと心配性
寒卵の純白といふ硬さかな 省三
癌といふかたまり抱へ去年今年
雲を踏むごとくに鶴の戯れる あねご
当直や交代点呼の息白し
空を乗せきらり傾ぎぬ春氷 神楽坂リンダ
王の如冬野に鴉祀りおく 西連寺ラグナ
裏井戸の水よく凍る利休処す 桜井教人
看護師に焼藷の香夜勤明け 迂叟
マフラーの昔を嬉々として語る 八十八
外套の襟固くとぢさやうなら 野風
先生と呼ばれし父や冬の蜂 瑞木
一月の海を遠くにエンヂン音 みかりん
オリオンは今日も健在家はすぐ  大塚めろ
春を待つパイプのけむりぽぽぽぽぽ  藍人
呼び鈴の微かに鳴りて寒昴 毬
死ぬよりもひとりがこわい凍てし夜  ケンケン
次の世は人間になる猫眠る雪 未貫
去年今年がこんと自動製氷機 すな恵
船底の鈍きエンジン蜜柑むく もね
熱燗や円周率を説く男 和音
木瓜咲くや足し算しても出ぬ答 かのん
踊るやうに改札を来る春ショール  松ぼっくり
春北風駝鳥は何も知らぬ顔 レモングラス
ポインセチアの緋に和す辛き料理かな  青蛙
水仙や歩けば軋む旧校舎 ラジオ体操
脳天に当直明けの年酒かな 錫樹智
ジューサーのセロリを砕くバレンタインの日  ふづき
格子戸の枡目の区切る冬景色 輝女
牡蠣打ち女公衆電話の中国語 元旦
寒風に座す野ざらしの土踏まず 一走人
鉄柵に挿され片手袋ふたつ 樫の木
足跡の吊橋渡る雪月夜 雨月
集会の一人一つの蜜柑かな ゆりかもめ
昭和遠し暖房効きし談話室 春告草
コインランドリーかろんかろんと春を待つ  犬鈴
白濁の澄みて冬眠終はるころ 果樹
白菜の哀しいほどに内弁慶 えりぶどん
大寒の産科詰所の灯りかな 人日子
数へ日や数に入らぬ些事あまた なづな
オリオンのひときは太き獄舎かな  浜田節
道楽は春播く種を選ぶ刻 ちろりん
大寒の太陽大爆発をして ひでこ
森閑とバッハの調べ年変る 哲白
ごおごおと海伊予柑の臍まるき  ターナー島
龍も舞え首都ティンプーの春祭り 北伊作
春の雷兵馬ようの竜目覚む カシオペア
風邪引いて桃の缶詰ばかり食う  ポメロ親父
みんな仲良くねって雪は降ります  猫ふぐ
一月や黒兎来てよく笑う 豊原清明
エレベーター狼と乗る聖夜かな  大中博篤
寒明忌ばらまかれたる鳥の羽根  さわらび
蒼穹や路上ライブの声冴ゆる しゅん
五十階より下はビルの間雪遊ぶ じろ
二番目に好きな花ならば水仙 空
雪の声聞きたくて今八甲田 ゆき
海風や礫のごとき枯薄 守谷蓮睡


今月の並選
血流の音聞いている大旦 蓼蟲
蝋梅の開きて落つる小暗がり
病む人の手の甲白き春の昼
雪催翳したスプーンに映る顔 まくわ
外套や夜をゆく背の似る二人
冬の夜の車窓に眠る背中かな
冬晴れのシャンプー台の指太し 紅紫
この株はまつたく熟れて青木の実
エレベーターボタン温みて夜冴へる
現在地地図に確かむ冬木の芽 権ちゃん
芋菓子の山のくずれる炬燵かな
待春やキーボード打つ指先に
寄生木の群落見ゆる寒の明 みちる
南無三宝椿墜ち行く人外境
ひと日病む夢中にお玉杓子かな
静夜裂き秒刻む針新年来 青柘榴
アスファルト続く畦道穴惑い
足を止め軌道修正小正月
癌病棟銀杏落葉の吹き溜まる 政敏
冬の鵙鍬の間合いに蚯蚓捕る
紙漉や簀桁の波の四隅まで
青写真月光仮面参上す 子狐萬浪
虎落笛ブルーハーツは熱く跳ぶ
猫の夢見てゐる我と炬燵猫
手袋の赤色あの陽の匂いです き花こすもす
冬の虹ワーキングメモリのせてみる
なんちゃあない人生ひねもす波の花
初鴉降り立つ畑の広さかな こぼれ花
とりあえず窓辺に挿して梅小枝
元気かとひとこと添えて冬野菜
老夫婦まだかまだかと雪の中 刻舟
孫来るといそいそ部屋変え肩蒲団
大雪や孫に来るなと嘘を言い
古暦微かに臭ふくさやかな 柱新人
冬の朝深き二度寝の湯治かな
2センチの段差漸う寒の明け
春帽子ふわふわ白い鹿の子編 お手玉
春霰さわがしく打つトタン屋根
ボンネットころころはずむ春霰
声震ふ改修道路野水仙 八木ふみ
春めくや一枚脱いで客に会ふ
体中ホットドリンクの放射
私も夫も子どももマスクかな 西原みどり
きつぱりとインフルエンザ告げらるる
この家がお気に召したか風邪の神
噂話禁止協定玉子酒 不知火
色ひとつ足りないままに冬の虹
普段着で済ます買い物息白し
牡丹雪を肴に重ねるほいと酒 まんぷく
千年の孤独に蹴り入れ春を待つ
冬菜煮る生きてるだけで美わしき
雲集め紫雲英の思ふままになり 唐草サ行
二ン月へカルミンごりと噛み砕く
二枚めもマーマレードぬる寒の明け
マイカーに五足足跡猫の恋 サキカエル
湯たんぽの温もり名残りおしき朝
倒産の知らせ貰いし師走かな
牡蠣打ち女帰れば子の頭撫ず 炉草
凍葱のポキンと折れて母あらず
義理も見栄も忘れて籠る三が日
翼散る鳥の如く冬の虹 アンリルカ
息白し天使達舞う空の下
ただ散歩待つ犬のそば日向ぼこ
坂の上古き墓守龍の玉 りんご
春近し登龍門に鍵はなし
新年と開くページにペンを乗せ
灯の一つに寝たるひな人形 今比古
巣立する姪のあそびし湯舟かな
そうそうたるメンバー紹介寒鴉
梅の香や朝一番の深呼吸 ぎんなん
初みくじつま先立ちて結びけり
いつの日か燃え上がるのか埋火よ
節分の豆椿神社のお札つき 信野
九階より見下す屋根や雪景色
雪だるま親子を作る兄妹
春浅き友の誕生祝ふレター むらさき
男搗き女丸める寒の餅
大鳥居狛犬阿吽風花す
乾杯のグラスの向こう春霞 西条の針屋さん
鯛焼を喰む彼の手に哲学書
硬き風カンパス染める寒椿
青蛙上司の顔思いだし 橘三拍子
虹立ちてふくよかな顔細くなり
大振りの冬の金魚をもらいけり
竜座流星群視野溢れ出で猪日 緑の手
点滴の墜ちやう雪の積もりやう
鶏日の参道フラツシユ音を縫ふ
梱包をばらす釘抜き春隣 しんじゅ
あふれさうな風呂あふれさす初霰
三つ折りの給与明細みかん汁
ラーメン屋息子と三言春近し 真鍋一
それぞれの影を笑はせ日向ぼこ
玉子酒くつきり浮かぶ天の門
冬日さす浮見堂ごと漂いて ゆき
素っ気ない別れもあるさ春いまだ
感情に蓋したりけり冬安居 守谷蓮睡
水仙の香に青空の溶け込まん
赤き実をかくし通せぬ落葉落葉 みかりん
大寒のワインのコルクの乾きかな
冴返る広告塔の裏表 さわらび
辻井戸に石の筧や鰆東風
固き拳をひらくが如く春来る しゅん
冬去るや足音に気を付けながら
待春や二階から上日の当たる じろ
逢ひにゆく駅へ北山時雨かな
三寒四温痴呆の母を宥めおり カシオペア
しずり雪ドサット落ちて過去となる
ビオトープ凍蝶になる日なりけり ひでこ
あかり消しみちのくの雪の匂いかな
春隣ロシアンブルーのまろき背 哲白
同じ言繰り返す母冬の雨
寂寥は炭をつついて忘るべし ちろりん
(前書 駅伝をよむ)
受けとりし襷に付きし山の雪
冬日和染めど染めども白髪なり コーケン
逆上がりお手本なしの二日かな
寒牡丹赤い歯刷子捨てちまへ 藍人
無防備な君の背中に時雨かな
白雲のあくまで白し竜の玉 毬
四種類の動物切手日脚伸ぶ
ぐぐぐぐと本線に入り波に乗る ケンケン
しづけさを人にうながす砂時計
食卓と書斎を兼ねてこたつ板 未貫
ぶつかはり手を鳴らしたる冬の夜
融ける雪うへに積む雪積もる雪 すな恵
生きて居る限りのくすり寒に入る
息白し番犬の歯が欠けてをる もね
冬の夜や消防団の焼くするめ
石鎚の峰を望むか冬日和 ペプチド
蝋梅の背中に在りし青い空
皸や指紋の語る病気運 和音
雪原にダイブまずは彼氏から
玉せせり裸益荒男白回し かのん
日脚伸び繋ぐピースのきせをかく
手のひらを返せば地球竜の玉 猫ふぐ
着ぶくれてせわしき心解けてゆく
七草や読み返したる効能書 きうい
玉子酒ちりちり鳴るやアルミ鍋
刻々と陽に音繁く屋根の雪 松ぼっくり
初東雲や祠の紙垂の徐々に緋に
侘助を置く出窓にも便りあり レモングラス
山しゅゆの花あふるるや赤児泣く
南国の年越花火おちこちに 青蛙
病室の父よ目覚めよ雪催
人日や海に映りし山描く ラジオ体操
ノミ音の鼓動の如き四温かな
好物はふりかけご飯受験生 錫樹智
待春や茶房に低きカンタータ
初空へ一段高くするサドル ふづき
春の夜の日記を開ける金の鍵
托鉢の僧の吐く息白し白し 輝女
独り居の遠慮なかりし大嚏
海鼠噛むときに太古の音ぞする 元旦
ずわい蟹器用に剥くは土地の人
駆け引きの下手な館長竃猫 一走人
白い息吐いて野球部卓球部
宛所不明の五通五日かな 大五郎
鈍色の金具冷たきベルトかな
榾崩れ欠片あまねく紅蓮なる 樫の木
シリウスをかすめ最終便北へ
受験子のメール短く返りくる 雨月
魔女の手のリアルな挿絵春の風邪
微睡みの孫の微笑み冬蕨 ゆりかもめ
無駄に茶をすする一日氷柱かな
水分子解かれ寒鯉もう動く 大塚めろ
立春の劇場A席より埋る
北風へ唸るベンツのエンブレム 初蒸気
ベツレヘムの子が北風を避ける布
全力のにらめっこなり春隣 犬鈴
豆腐屋のとうふ真四角冬の朝
転卵の卵に湿り春を待つ 西連寺ラグナ
立春の綻び始む土星の輪
風花や牛舎へもどる牛に尻 ソラト
冴ゆる夜の時に交はる鉄路かな
大寒の来世を語り合ふ姉妹 果樹
人形の疲れて凍ててきし睫
橙や母の前では僕という えりぶどん
水鳥の湖面を少し穢しゆく
オーロラを語る少年寅彦忌 北伊作
雪眼鏡取れば平安美人なり
鍋底の鈍き光芒春を待つ なづな
連れ立って本屋に向かふ二日かな
もう少し待てば白梅咲いたはず 浜田節
初雪やビーフシチューのレシピ本
薪を割る13日の金曜日 エノコロちゃん
野鳥居ぬなお殺風景な冬の山
あれこれと話聞きをり年忘 人日子
越後路の雁木の氷柱明りかな
銃声のあと一山の枯れ極む ターナー島
ぴしぴしと踏める薄氷風の止む
寒析と小さき足音風に乗る 春告草
内ポケット使はぬままの冬ごもり
弔いの言つひに出ず冬銀河 大中博篤
夜凍つて貴婦人の馬車動き出す
自販機に飴買いに来る雪女 迂叟
読みかけの雑誌にはさむ春切符
侘助の往来の愚痴聞かぬふり 野風
薔薇の芽やしみひとつなきトウシューズ
冬温し健さん寅さん二本立て 木琴
袖口のほつれ歯で切る冬の雷
友達の友達に会ふ冬隣 瑞木
店員の太き足首冴え返る
小寒の鍵束落とすアスファルト 空
純情や手作りマフラー重く垂れる
梟が表紙の句集女正月 鯉城
ヒロシマは青山の地よ牡蠣啜る
ばんざいのかたちに冬のチューリップ  神楽坂リンダ
唐饅を焼いて白ごま柚子香る オレンジ日記
冬蕨おひさまを恋い人を恋い ほろよい
闇汁へ二つに切りし青海鼠 ポメロ親父
手袋の穴より覗く太き指 八十八
城跡に天守閣なきふゆざくら 牛後
入るべき墓石を撫づ寒夕焼 省三
じくじくと熟女蝕む春夜かな てんきゅう
始祖鳥の羽ばたいた空冬の虹 恋衣
真冬日や生誕五年メロンパン 豊原清明
狐火や温泉前の一軒家 朗善
福寿草命名ほのかと申します のり茶づけ


雑詠道場番外編「くらむぼんが困った」

教えて下さい!
元旦 まだよく理解していないのですが、「へたうま仙人」か「くらむぼん」のどちらかを選択するんですか。句によって選択するんじゃなくて、3句1セットで、どちらかに投句するのでしょうか。

お答えします。
夏井いつき 来月からの雑詠道場は、「くらむぼんが笑った」か「へたうま仙人」か、どちらかを選択して頂くことになります。3句1セットでの選択投句となります。
 それにともなって「くらむぼんが笑った」の選は厳しくなり、三句全てが載る確率が極めて低くなります。添削されての掲載もあります。添削について否定的な見解をお持ちの方には、お勧めし難いかと思います。
 「へたうま仙人」への投句は、必ず一人一句以上選評付きで載ります。添削されることはありません。巧い句については、へたうま俳人の聖地にはふさわしくない佳句であることを意味する「追放」の印を押されて記事の最後に掲載されます。
 以上の点をご理解頂き、どちらのコーナーに投句するか、その選択も楽しんで頂けたらと思います。



【雑詠句募集】
投句三句/俳号(本名)/〒住所/電話番号と、「○月末日締切分」を明記して、編集室「くらむぼんが笑った」または「へたうま仙人」宛にお送りください。
締切は毎月末日《必着》です。
※末日を過ぎたものについては、翌月分とさせていただきます。
※ひと月に複数の投句があった場合は、一番最後に届いた投句のみを有効とさせていただきます。同一内容での二重投句はご遠慮ください!
 投句は誌上句会宛のハガキ&メールとは別でお願いします。
雑詠専用Eメールアドレス zatsuei@marukobo.com
インターネットや携帯電話からも投句できます。
http://www.marukobo.com/kuramubon/


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放歌高吟


佐保姫
夏井いつき

立春やスウプはきんいろに清んで
春の雪ナイフをつかう音かすか
正田美智子なる日の春の帽子かな
ヒヤシンスみたいな爪を切ってあげる
愛の日やみつばち色にとけるバター
春愁の泪は酸性にかたむく
華やかに鳴り音姫も佐保姫も
指す指の春の虹よりやわらかき
ぺこぺこのアルミのような春の空
啓蟄やせんせい山田くんいません
三画の漢字おさらい春の雲
煽られてぷくりと上がる蜂の尻


  日本中を覆った春の大寒波。佐保姫が拗ねているのではないかと思うほどの遅い春。我が松山にも久方ぶりに雪が降り、石鎚連峰は勿論のこと、近場の山々の積雪が目視できる日々が続いた。
 佐保姫がやってくるはずの立春の夜、五十代組員が集う飲み会「イソジン会」の帰り、大切なスケジュール帳を無くした。気づいたのは翌朝、愛媛マラソン応援吟行の朝。弱ったなあと思いつつも、壮行会に間に合うように飛び出さねばならず、行きのタクシーの中で昨日の行動を振り返る。午後の俳句入門講座では確かにあったし、イソジン会の席上でスケジュール帳を出しはしなかったし、二次会には行かず電車で真っ直ぐ帰ったし……と記憶を辿り、愛媛新聞社カルチャー教室事務局&イソジン会の飲み屋に電話してみるが、どちらも「ありません」の返事。うーむ、困った困った……。
 このままでは仕事が前向いて進まない。季語付きスケジュール帳(本誌一月号付録)をキム編集長から一冊恵んで貰い、スケジュール帳を入れるためのブックカバーをオンラインショップまほろ店長から買い、今後一年間のスケジュールを転記するため社長からノートを貸してもらい、やっと再出発したところだった。
 何気なく娘と話していて、いきなりハッ!と記憶が蘇った。あの夜電車を降りて、ふらっと近所の赤提灯に入ってしまったのではなかったか、ワタクシ〜! 早速電話してみると「そのうちまた飲みに来るやろ」と保管してくれたらしい。有難や〜!
 ひょんな失敗で、季語付きスケジュール帳が手元に二冊。ハタと思いつき、一冊を「尻二字しりとり一日一句ノート」にすることに決めた。一月一日の季語「新年」で一句ヒネり、その句のお尻の二字を翌日のアタマの二字とし、一月二日の季語「初詣」と取り合わせて一句。この作業を繰り返し、一気に二月九日「淡雪」まで作った。
 勿論これは頭の体操的トレーニング。佳句を期待するわけではなく、発想のための柔軟運動みたいなものだ。下五を「〜の女」としたばっかりに、翌日「んな」から始まる句を作らねばならぬ難題を楽しむのも俳句の精神。一年間存分に楽しもうと思う。

 二月十一日 季語「春光」
んなこと言って春光をまぜかえしてる いつき




夏井いつき公式ブログ「夏井いつきの100年俳句日記」

http://100nenhaiku.marukobo.com/


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ART+俳句


最終回(6回シリーズ)
アートと俳句の見て読んで楽しめる作品集を目指して、月替わりで作家が作品を発表します。



「母節」
岩富士バロン

体内に二つの鼓動風光る
てのひらは大きな未来しゃぼん玉
ふるさとは母のお腹や春満月
いのちから生まれる命桜咲く
うららかや君は百年前の僕
人間は死ぬまで迷子春の闇




岩富士バロン

 宇和島生まれ、宇和島暮らし。立春が誕生日の四十五歳独身。O型水瓶座の天才肌。最近、句歴が十年になることを知るも、向上心がないため、俳句は一向に上達せず。転職して仕事に追われる日々だが、俳句が一服の清涼剤となっている。




アートと俳句を融合させた作品を作る作家が集まった「俳句芸術家協会」の設立を目指して、メンバーを募集しています。興味のある方はマルコボ.コム内キムまでご連絡下さい。


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私たちの100年俳句計画


俳句を使った試みをされている様々な分野の方を紹介します

第1回
松山市社会福祉協議会福祉サービス課
佐藤千洋(俳号 みしん)

難しいと思っていた俳句
 俳句を始めたきっかけは、上司の蛇頭さんに勧められて。4年前に社会福祉協議会で行った俳句講座(現在のふくし句会)。
 それ以前から、私が勤めていた障害者施設の利用者の森欣(もりきん)さん(俳号)が俳句をされているのは知っていました。
 森欣さんは、高校生の時、ラグビーの練習中に首を骨折して肢体不自由となってしまった方。私がヘルパーとして入っていたときは、俳句の投稿を預かってポストに入れたり、ある時は、森欣さんの投稿した俳句が当選し、その賞金で森欣さんとディズニーランドに行ったこともあります(笑)。
 でも、自分が俳句をやるとは思っていませんでした。文才が必要な難しいものと思っていました。

はまってしまった句会
 社会福祉協議会での俳句講座は、参加した皆さんが同じレベルでスタートしたので、すごくやりやすかったです。職員として参加していたので、最初は半強制的ではありましたが。でも、はまりましたね。
 大人になると、人に何かを評価されることが少なくなっていて、句会で自分の句を「イイ」と評価して貰うと、とても嬉しい。また、皆さんの句を読んだり触れたりしていると、もっとみんなが感動してくれる、共感してくれる物を作りたいなって。自分が作った俳句に対して、みんなが喧喧諤諤言ってくれるのも、心地いい。

俳句は誰にでもできる
 ふくし句会に投句されている葱さんは、肢体不自由でほぼベッドの上だけの世界で過ごしていて、以前は「退屈、退屈」と言っていました。座った姿勢を長時間取ることができないので、寝て何かをすることが一番楽なんです。俳句は、鉛筆と殿様ケンちゃんノート(笑)があればできる。そこで、寝たまま季語を探してみたらって誘ったんです。俳句をすることで葱さんの楽しみが一つ増えた気がします。
 視覚障がい者の方がまる裏俳句甲子園に出てたと思うのですが、俳句は誰でもできると思います。しかも俳句はお金がかからない。森欣さんのように、お金を稼ぐこともできるし(笑)。

俳句でコミュニケーション
 温泉などに行くと老人クラブで作った俳句などが壁に掛かっていますが、自分が俳句を始めて、それが気になるようになりました。また、俳句をきっかけに高齢者の方と話が出来る場面もあり、仕事柄、良かったと思います。
 俳句はコミュニケーションツールになると思います。「俳句は楽しいよ」っていうのは、割といろんな人に言っています。 (談)


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月刊句会ライブ報告


各地で行われている、100年俳句計画句会ライブの入選句や写真を紹介します。


NHK「それいけ! 俳句キッズ」ブロック大会句会ライブ(2月11日、12日)
愛媛県東予ブロック今治市会場
愛媛県南予ブロック西予市会場
愛媛県中予ブロック松山市会場

 昨年もNHK松山放送局主催で行われた「それいけ! 俳句キッズ」。今年は大会を二部構成に拡大し、県下三会場でのブロック大会を勝ち抜いた約30名の小学生により本選大会が行われることとなりました。
 予選であるブロック大会、開始と同時にまずは吟行に向かいます。この吟行で作った一句で勝負が決まるということで子ども達の面持ちも真剣。「俳句応援隊」として各会場に駆けつけた芸人さんと共に吟行コースを散策します。
 投句された吟行句から12句の入賞作品が選ばれると、入賞作品同士で対戦する「句あわせ句会ライブ」の開始です。会場のスクリーンに紅白それぞれの句が映し出されると、子ども達が次々に句の魅力を語ってくれます。甲乙つけがたい白熱した対戦カードに審査を担当して下さった組員さんたちもどちらの旗をあげたものかタジタジの様子。
 句あわせに勝ち残った6句の作者は無条件に本選大会への出場が決定。さらに、俳句の魅力を上手に語れた特別賞4名を加えた計10名が、26日の本選への切符を手にしました。
 本選&番組の放送が楽しみになる素敵な句会ライブでありました。


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JAZZ俳句ターンテーブル


文/白方雅博
(俳号/蛇頭)

第12話
インヴィテーション
アル ヘイグ

啓蟄やクラシカルなるジャズ流る ふぁ〜♪

 僕はうるさ型のジャズレコードコレクターではない。なので“名盤百選”とか“〜の代表作”なんて類のLPレコードは聴いてなくても入手してきた。しかし、アル ヘイグの「インヴィテーション」は、70年代半ばに復活を果たした彼の最高傑作との誉れ高く、何の躊躇もなく手に入れるべきアルバムだったけれど、その購入は随分と後回しになった。ジャケットが気に入らなかったのである。クラシックレコード仕様のデザインの中で、まるでオーケストラの指揮者でもやってそうなヘイグが微笑んでいる。クラシック音楽も嫌いではないが、このジャケットの中に丁々発止のジャズはねぇだろう、と思い込んでしまったのである。

音符らは春を誘ふて聖地へ入る いしき

 この盤の1曲目は「ホリーランド(聖地)」。ジャケットのイメージを覆すような楽想ではないけれど、愁いを帯びた情緒溢れるメロディは正に日本人好み。そうか親日家で有名なピアニスト、シダー ウォルトンの作品だったのか、と納得。軽やかだが濃密なヘイグのフレーズが心地よい。このアルバムの人気は、この演奏に依るところが大きいに違いない。

ミモザ降るようにバップのピアニスト  チャンヒ

 アル ヘイグは40年代初期にデビューし、注目された白人バップ ピアニストである。共演者もディジー ガレスピー、スタン ゲッツ、ワーデル グレイ、マックス ローチ、フィル ウッズなどバップの大物がずらり。極めつけはチャーリー パーカー コンボのレギュラーピアニストになったこと。しかし、50年代末から60年代にかけて突如レコーディングデータからその名が消えてしまう。そして復活の「インヴィテーション」が英国のレーベル、スポットライトから久々にリリースされる。華麗なミモザをクラシック音楽に見立て、祝福するようにヘイグに降り注いでいると深読みすれば、あのジャケットも悪くはないな。

春めくや波紋のやうなアルペジオ 呼南

 今回、初参加の呼南さんが、ヘイグのピアノタッチを見事に切り取った句。復活後、正当な評価を得たヘイグは、日本のレーベル、イーストウィンドから「チェルシーブリッジ」を発表する。これもトリオによる演奏だが、ヘイグに弾かせたいスタンダードナンバーが多く並ぶ。僕は、この盤のタイトルとなっているナンバーが一番好きだ。ライナーノーツには名プロデューサー、伊藤八十八氏の名がクレジットされている。やはり、と思った。氏は今でも国内外の有能なジャズミュージシャンを世に出す仕事をされており、我がJAZZ句会のメンバー、マミコン(堤)さんと親交がある。

春泥は淫靡テーションかもしれぬ 蛇頭

 秘しておきたい句場の側面を露呈せざるを得ないJAZZ句が詠まれてしまった。詠む方も詠む方だけど、取る方も取る方なのである。4人が特選としたのだから、開かれた句会の責務として情報公開する。また、責務は分かち合うものでもあるので、選者も公表する。チャンヒさん、マミコンさん、暇人さん、呼南さん、ありがとう。




http://www.baribari789.com/

「JAZZ俳句ターンテーブル」は、筆者がナビゲーターを務めるFMラヂオバリバリ(今治78.9MHz)の番組「JAZZ BLEND」の第2週に特集します。放送は毎週水曜日の深夜23時〜24時。再放送は日曜日の25時〜26時。


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ラクゴキゴ


第12話 文/俳句 らくさぶろう

『あくびの稽古』
〜習い事あれこれ〜

あらすじ
 道で男二人がバッタリ出会う。
A「ええとこで会うた、ちょっと付き合うてえな。」
B「何や?」
A「稽古に行くねん。ちょっと付き合うて。」
B「稽古か、堪忍してくれ。」
 Bがなぜ断ろうとしたかというと、これまでに色々と稽古の付き合いをさせられたが、ことごとくAがハチャメチャなことをするため、こりごりだという。
 例えば三味線の稽古、「チントンチャン」と師匠が弾いているのにAは三本の糸をいっぺんに弾きならしどうしても「ジャンジャンジャン」にしかならない。
 また、踊りの稽古では“奴さん”を習うのに右手と右足、左手と左足が一緒に出てしまう。
 浄瑠璃では「太閤記」の十段目♪夕顔棚のこなたより、現われ出でたる武智光秀〜♪を「やってみなはれ」と言われ、赤い顔して大きな声でかたったのが「ゆゆゆゆゆ、夕焼け小焼けで日が暮れて〜。」
 そのうちあまりにひどい声でかたり続けたため、近所の人は心配して来るは、巡査が「何事か?」とのぞくわで、大変なことになってしまった。
 こういう過去があるのでBは断ったのだが、今回はちょっと珍しい稽古に付き合えと言う。
 それは「あくび」。
 近所に最近看板が出て、そこには「御欠伸稽古処」と書いてあるのでこれはおもしろそうだと、Bを誘ったらしい。
 変な稽古もあるものだと、渋々付き合うB。
 あくびの先生なる男、普段何気なしに出るあくびは「駄あくび」で春夏秋冬、四季にわたって面白みのあるあくびを教えるとのこと。
 「もらい風呂のあくび」これは近所でもらい湯をするとき、たいがいぬるい湯のときが多いが、なにせもらい湯のため文句も言えず入っていると、それに退屈さも相まってあくびが出てくる。「はあ〜あ〜」これがもらい湯のあくびだと説明される。
 他にも「将棋のあくび」など、クソまじめにあくびを教え、またそれを習うAのことを見ていると、Bはバカバカしくなって、「長い稽古やなあ、もう退屈で退屈で……ふあ〜っあ〜ったまらんわい」
師匠「お連れさんはご器用じゃ!」



 漱石の有名な句に、
 永き日や欠伸うつして別れ行く
というのがあります。僕はこの句を見るたびに「あくびの稽古」の噺を思い出します。
 古典落語が作られた時代は、街のかどかどに稽古屋さんがあり、長唄、小唄、端唄、浄瑠璃、義太夫、踊りと様々な分野を教えていたようです。現在のカルチャースクールですね。ですから落語にも稽古屋はひんぱんに登場してくるのです。そのままズバリ『稽古屋』というタイトルの噺もあるくらいです。
 中でも一番落語らしいのがこの「あくびの稽古」ではないでしょうか。ありえないシチュエーションですが、落語の中なら「ああ、ひょっとしたらあるかもね」と思えてしまうのです……。
 実際にあくびの稽古屋のシーンは最後の部分のみで、前半はこれまでのハチャメチャぶりを描いた爆笑シーンが続きます。あくびの稽古が始まってからは、いかにもお師匠さんというおさまり切った先生があくびのいろはを教え、それを真面目な顔をして聞いている男の不思議な可笑しさを表現します。そしてそれを横で眺めている連れの男がぼやきながら自然と出てくるあくび。この辺は演じ手のやり方の違いが楽しめるのではないでしょうか。
 ちなみにこの原稿を書く前に噺の最後の部分を演ってみたところ、本当のあくびが出てしまいました。神が降りてきたか??
 上方では「あくびの稽古」ですが、江戸では「あくび指南」と呼んでいます。

春寒の欠伸途中で止みにけり


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本家慶弔俳句帖 第42回


文 桃ライス

キティちゃんヘアーで親孝行
 サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」が大人気の台湾で、髪形をキティちゃんカットにした50歳の男性が話題を呼んでいる。
 ネット情報によると、この男性は北部新竹県在住で地元企業のマネージャーを務めるHu Han-gongさん。キティちゃんに見えるように髪を剃った理由は、84歳の父親を元気づけるためだった。
 Huさんは「これ(髪形)で父は前より元気になった。何度も笑ってくれた」とご満悦の様子。「キティちゃんカット」は2時間かかって仕上がったというが、形が崩れないために5日おきに整える必要があるという。なお、お父さんがキティラーなのかは未確認。

鳴く度に毛並み整え猫の恋


高知県が女性向け恋愛ゲーム開発
 高知県などで構成する「高知コンテンツビジネス創出育成協議会」は、携帯電話用の女性向け恋愛ゲーム「小悪魔の条件」の提供を始めた。
 ネット情報によると、このゲームは20〜30代の若い女性が対象。架空の美形男子と付き合って、容赦なしに次々と振る“小悪魔体験”ができる。県によると、自治体が携帯電話などで遊べるソーシャルゲームの開発を支援するのは全国初。
 主人公は美少女として各地のイケメンと恋に落ちる。最後は自分から振る設定で、恋愛を繰り返していく。プレーヤー同士が同じイケメンをめぐって奪い合う状況も想定されており「内容は庁内でも議論になった」(県職員談)という。
 高知県出身のゲーム音楽の作曲家植松伸夫氏も楽曲を提供するなど協力。
 「小悪魔の条件」はゲームサイト、グリーでダウンロードできる。基本料金は無料だが、パケット通信代などの別途料金がかかる。高知県は、30歳代も若い女性と言ってくれる。やっぱり懐が深いぜよ。

猫と猫ふられた同士猫の恋


桃ライス…自分のことをワシとよぶ婦人グループ会員


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お芝居観ませんか?


文&俳句 猫正宗

第三回 『フレディ』
[テアトルエコー公演、作/ロベール トマ、演出/上原一子、出演/安原義人、田村三郎、杉村理加、他、12年1月24日、ひめぎんホール(県民文化会館)サブホール]

 天才クラウン、フレディ率いるサーカス一座は、今や昔日の面影なし。パトロンへと金策に走るもすげなく断られ、思案投げ首。そんな折、そのパトロンが殺されてしまう。容疑者となったフレディは、一座の宣伝のためやってもいない犯行を自供する。正当防衛で無罪を勝ち取り、一躍時の人となったフレディ。興行は連日満員御礼。有頂天の彼の下に、ある日、真犯人を名乗る女が現れ……。

素顔こそかりそめ道化の年用意

 作者のロベール・トマは、昨年、浅野温子、加賀まり子など豪華女優陣競演との触れ込みで評判になった『8人の女たち』(02年には映画化。こちらも、カトリーヌ ドヌーブ、エマニュエル ベアールなど、豪華女優陣で話題に)、『罠』(松山市民劇場では02年に上演)など、サスペンスタッチの作品で知られ、フランスのヒッチコックとも呼ばれる人物。
 公演したテアトルエコーは、声の仕事でも有名。主演の安原義人氏は、洋画ならミッキー ロークなどの吹き替え。アニメなら、例えば『キャッツアイ』の内海俊夫。世代的には『特攻野郎Aチーム』のテンプルトン ペック(通称フェイスマン「ハッタリかまして、ブラジャーからミサイルまで、何でもそろえてみせるぜ」)なんかも、懐かしい限り。
 おっと、きりがないので閑話休題。
 開場時、ロビーで役者たちが演じるサーカス芸(写真撮影可!)で幕を開けた本公演。サスペンスというよりは、ライトなユーモアミステリとでもいった趣の作品でした。忙しい日々を送っている人にとっての、一夜の楽しみ、ちょっとした息抜き(大切ですよね?)、そんな舞台であったように思いました。

サーカスの天幕(テント)に虚実寒三日月



このコーナーでは、松山市民劇場例会にて公演された芝居を紹介します。次回公演は表紙裏の広告をご覧ください。



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一句一遊情報局


有谷まほろ & 一句一遊聞き書き隊
協力 南海放送


 1月の連休で開催された、夏休み句集を作ろう! コンテスト表彰式や、日本俳句教育研究会の研究発表会、そして、まる裏俳句甲子園。中でも、まる裏俳句甲子園の感想が多く番組に寄せられました。その一部をご紹介します。

山百合 久しぶりに楽しい一日でした。初めて行った友達もとっても楽しかったと喜んでくれました。来年も行けるように頑張りたいと思います。

 お馴染みの方はもちろんのこと、初めての方にも喜んでいただけたというのが嬉しいお便りでした。まる裏の輪を広げていただければ幸いです。

緑の手 たくさんの人に助けられ文月さんミズスマさんと一緒にまる裏のステージに立つことができました。その影には私の代筆をしてくださったみなさん、点訳をしてくださったみなさん、みなさんのおかげで舞台の上でしゃべれました。またずっと応援をしてくださったまっことマンデーさん、たくさんの句友のおかげです。ほんとうにあたたかい絆と優しさに心から感謝と感動です。

ミズスマP まる裏俳句甲子園、緑の手さんの俳句とトランプのカード引きのうまさのおかげで遂に初本選出場となりました。初本選は緊張しましたが、今となっては良い思い出です。関わってくださった、たくさんの人に感謝いたします。

 予選において、決勝進出ボーダーライン上の同点チームは、トランプで抽選を行います。今回は緑の手さんが、見事な引きを見せてくださいました。

ほろよい 句集コンテストと、まる裏俳句甲子園。二日続けてお世話になりました。毎年、五分間の間に力のある俳句を作る俳人達に脱帽しております〜。

 いつ決勝に進んでもいいように、決勝戦の兼題と決まっている「雪」の俳句はしっかり用意しておきましょう!


まほろの 兼題雑感

「ミモザ」 といえば、あの黄色い花だと思ってたんですが……もちろん季語としてのミモザはその花のことでいいんですが、実は本来のミモザはオジギソウの事だったというのが調べてみてのオドロキでした。トリビア的雑学。
「鷹化して鳩となる」 ……10音もあります。長いです。意味が通ればある程度の言い替えも可能なようですが、どう17音に詠み込むか、思案が必要です。七十二侯は中国に由来するもので、この「鷹化して鳩となる」は、元々の中国の七十二侯に含まれるものですが、日本では独自の七十二侯が別に作られて現在に至っているそうです。
「万愚節」 は、長く本誌を読んでいただいている方には、“万愚節新聞”の企画でお馴染みでしょうか。類想が多いと思いますので、その点には気をつけてください。
「潮干潟」 で気を付けたいのは季重なり。「潮干潟」といえばまず浮かぶ「汐干狩」も当然季語ですし、「浅蜊」も「蛤」も「馬刀貝」も「蟹」も、干潟に居るであろう大概の生き物も季語(「蟹」は夏季)です。他にも、「潮干潟」の周辺にある季語は多いと思いますので、歳時記を確認してみてください。



※ 「落書き俳句ノート」を除く、朧庵(SNS)の利用、閲覧には登録が必要です。パソコン用のメールアドレスがあれば、無料で簡単に登録できます。


夏井いつきの一句一遊
南海放送ラジオ(愛媛県 AM1116kHz)
毎週月〜金曜 午前10時放送
週替わりの季語を兼題に、要努力の月曜日から優秀句の金曜日へと、紹介される俳句のレベルが上がっていきます。最優秀句「天」を目指せ!

投句の宛先は
〒790-8510 南海放送ラジオ 「夏井いつきの一句一遊」係
Eメール ku@rnb.co.jp

こちらからも番組へ投句できます!
http://www.marukobo.com/media/


投句募集中の兼題

3月4日
ミモザ【初春/植物】
学名でのミモザはマメ科オジギソウ属の植物を指すが、一般的にはマメ科アカシア属の、黄色の小花が穂状に群がり咲く植物のことをいう。

鷹化して鳩となる(たかかしてはととなる)【仲春/時候】
のどかな春の気配に、鷹も穏やかな鳩(もしくは郭公)に姿を変えるという意味の、仲春を示す中国の七十二侯のひとつ。

3月18日
万愚節(ばんぐせつ)【晩春/人物】
4月1日のエイプリルフールのこと。この日は罪のない嘘やいたずらが許される。かつての西洋暦では春分祭の最終日で、贈り物交換の風習があったという。

潮干潟(しおひがた)【晩春/地理】
陰暦3月3日頃の大潮は一年で最も干満差が大きく、遠くまで干潟が広がる。汐干狩や砂遊びに興じる。


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句集の本棚





『東京松山』 井上じろ 著

 「しなやかな人」そんな印象を持った句集である。
 転勤の多い生活は、その都度に心をリセットできるのかもしれない。大都会、地方都市、小さな田舎。赴任のたびに、心をまっさらにして働いてきたのだなあと思う。
  夕立雲東京赤く点滅す
  どこまでが仕事大阪残暑なり
  湯気立てる机三つの事務所かな
  大和路といふ春のただ中にゐる
  単身の窓に馴染みの守宮かな
 赴任先で出会うのは風景だけでなく、たとえばこんな句たち。
  重箱の音の中にて鰻食ふ
  雪の香の麹に混じる蕪鮨
  壺焼の小さき海の煮えゐたる
 実に美味しそう。食が満たされていると、心も穏やかである。
  桜の実ふくらむ密かなる時間
  行く春やくらげも花のかたちして
  やはらかく隠れ螢を掬ひけり
 白くシンプルな装丁と、繊細でありながら明るい句たち。人と風景と食と、出会いとは、やはり宝なのだと気づかせてくれる。この先、著者にどんな出会いがあるのか、楽しみである。
(書評:なぎさ)

 真っ青な雲ひとつない空。真っ白な雲におおわれた空。空は、同じ日がない。東京松山を幾度往復したのだろう。
 赴任地の松山で俳句をはじめた作者は、機上の人となった時、松山が、東京が、大和の国が、自分自身が、ありありと見えてきたのではないだろうか。目次1から9より一句ずつ。
  花の雨海から入る伊豫の國
  柿食うて空の明るき四国かな
  首よせて白鳥二羽や風の濠
  花衣神楽坂より九段坂
  川越や家並低く冬の月
  蕨餅大和飛鳥は日の中に
  陽炎を渡る飴売り葛西橋
  武蔵野に時雨の道の続きをり
(前書 銀座卯波)
  湯豆腐やしづかに夢の話して
 作句をはじめた1997年12月より訪れた場所は、瞼と言うシャッターが、押されている。時計の文字盤のごとき目次の続き10、11、12には、どんな俳句が、刻まれるのだろうか。読んでみたい。
 古志入会、長谷川櫂に師事。
 選句、構成はすべて作者自身で行なっている。全363句。美しい空に包んだ装丁はキム チャンヒ。
(書評:恋衣)

有限会社マルコボ.コム(2012年初版)
定価 1800円(税別)
全205ページ



『隼の胸』 しなだしん 著

 様々な表情を見せてくれる句達に心を躍らせながら読み進めるとあっという間に時間が過ぎていた。
  鳥の巣の闇ふかふかと海へ向く
  おそろしき音して島の扇風機
  春泥のまんなかにゐててかてかす
 愛すべき扇風機や「てかてか」、次から次へと現れる多彩な句に正にノックアウトされた気分。
  ちりちりと逆さまつげのまま花野
  鶏一羽しめて真青き四温晴
  ジュラルミンケースが月の坂をくる
  しろがねの隼の胸まだ翔ばず
 句が語りかける喜怒哀楽がすとんと響いてくる一冊だと思った。読み終えるのが勿体無い、もう少し作者の掌の上で転がされていたいなんて思ったのである。
 作者の第二句集、栞、石田郷子。
(書評:山澤香奈)

ふらんす堂(2011年初版)
定価 2400円(税別)
全114ページ



『隆』 米岡隆文 著

 「RYU」と読む短歌四十首、俳句399句を収録の第二歌句集。短歌はよく読み、時に一首に支えられた事がある。作品を通じてできる作者との対話。時間の共有。
  たわむれに浮かんでいるのかと思う棺の中に納まれる父
  やさしさのやうなるもののにじみでてゴッホの耳とまはる糸杉
  かたくなにかたきものもてくれなゐの胡桃の中の時を割り出す
 人に与えられた時間は短いが、時を愛し言葉を紡ぐ人の心は、時空を越える。
  肉体に蓋する時間オキシフル
  春の鳩 空空空喰ふ(くうくうくくう) 首を振る
  ほほばれる〈時〉のかけらやかすていら
  大空や月は太古の忘れ物
  人は草 黄泉のほとりに戦ぎたる
 誰かに愛された一首一句は、作者の知らない所で息づく。装訂を島田牙城。
(書評:恋衣)

邑書林(2011年初版)
定価 2500円(税別)
全160ページ



『ショートノウズ ガー』 中村堯子 著

  冬の虹頭皮へ皺をのがしたり
 なんて可愛い人なのだろう。年を重ねると少しづつ下がっていく筋肉。乳液やクリームをつけるとき、ほんの少し皺を頭皮へひっぱってみる。わずかにきりっとした顔が若々しい。冬の虹が鮮やかで、そしてはかない。
  鳥渡る紙を鋏がわたりきり
  荷作りの紐解くやうに紅葉狩
  歯石取るあとの明るさ海芋咲く
  蛇泳ぐジャズより黒く快く
 日々の生活に目をそらさず、自分と向き合ってきた人のユーモアと、作家としての視点が素敵である。
 句集名の「ショートノウズ ガー」は、淡水に棲む古代魚の種類で、他の魚より深い所で泳ぐマイペースな魚だそうだ。「銀化」同人。第三句集。
(書評:なぎさ)

角川書店(2011年初版)
定価 2800円(税別)
全179ページ



このコーナーで紹介した句集は、100年俳句計画編集室にて閲覧できます。


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選句&投句欄 ザ 句会


 このコーナーは読者による誌上句会。先月号に掲載された投句への、選句&選評(互選)を掲載しています。不肖編集室一同も参加しています。

第170回兼題
 「思わずうれし涙が出る様な俳句」をテーマに
 出題者 緑の手さん

 今月の互選『鰯の歯ぎしり』

7点句
杉山久子、青柘榴、柱新人、子狐萬浪、瑞木、遊人、未貫選
小春日や行方不明のねこ帰る 犬鈴
  杉山久子  兼題が難しすぎて投句を断念した先月。「作者がうれし涙が出る状況を詠んだ句」が多かった中での消極的な選となったが、経験から共感度が強かった。
  青柘榴  子供の頃、よく寅さんのように旅に出ていたオスのトラネコが、気候が良くなると帰って来ました。撫で回してやるのですが、一週間もすると、また旅に出るのでした。家庭でもあったのだろうか?
  柱新人  幼少のころ飼猫が猫島に行ってしまい悲しい思いをしました。もしあきらめかけた小春日に「ニャオ」と鳴いて現れたとしたら、そりゃあ泣くほど嬉しくもなるでしょう。
  子狐萬浪  嬉し涙が一番出そうな句と思ひました。
  瑞木  うれし涙が出る様な……というのは難しかった……。素直に場面が浮かんだので選びました。
  遊人  まだ温かい日で、良かったですね。涙ぐむ様子が見えます。
  未貫  なかなか難しい難題でありました。が、ミカンといちごに拘ってみました。

4点句
和音、狸穴けら、浜田節、ちろりん選
判定はマル解禁の温め酒 ほろよい
  和音  判定の内容はいろいろありますが、解禁という言葉から検査結果が良好だと想像しました。判定がマルとなって頂くお酒は、ちょっと温めで五臓六腑にじんわりとしみわたり、幸せを噛み締める瞬間です。じんわりと涙……。
  狸穴けら  この歳になると何かしらの病気になる、共存と言うのが正しいかもしれない。検査の結果がセーフならついつい祝い酒、気の弱い酒飲みの習性ですね。
  浜田節  いつもの健康診断、それとも何か重大な病気のチェックだったのか。よかったですね。「温め酒」がきいています。
  ちろりん  検査の結果オーケーが出たのでしょう。久しぶりのぬる燗心に体に浸みますねぇ〜。

めろ、カシオペア、信野、あき選
全員にパンと毛布が行き渡る のび太
  めろ  とてもシンプルで、「毛布」がわざとらしくないです。でも、今よく考えたら「パン」は食べ物の「パン」ですね? わたしは毛布を叩く音の「パン」として、この句をいただきました。
  カシオペア  パンと毛布を手渡された瞬間、生還したんだと実感し、思わずうれし涙がジュワーっと滲み、見も知らぬ人の温かさを知る、人の素晴らしさを感じる一句、バンザイ!
  信野   嬉しいですね。その場の様子が浮かんで、ちょっと涙ぐみそうになりました。
  あき  「全員に」行き渡るようになるまでどれだけ時間がかかっただろうか。ようやくかなった「全員に」で、思わずじーんときました。

諒和、輝女、未々、親タカ選
俺にだけ風邪を移せと添ひにけり 柱新人
  諒和  優しくされると嬉しい。まして、自分の心の側にいつも寄り添ってくれる人なら。羨ましく思いつつ、頂きました。
  輝女  羨ましいかぎりです。
  未々  このような言葉をささやかれたら、泣き虫の私はまたまた思わずうれし涙が出てしまいます。もっとも、私の彼は自分のことを俺とは言いませんけれどね。
  親タカ  「添ひにけり」がナカナカ“春琴抄”ではないか!! 俺というからにはきっと草食系ではない若い男なんだろうに。女のウレシ所……。

のり茶づけ、権ちゃん、空、いつき選
全十巻積み上げてゐる冬籠 しゅん
  のり茶づけ  寒いし雪も積もっているしで家の中に引きこもらざるをえない状態を逆に前向きに好きな読書に専念できると全十巻積み上げている作者の喜びが感じ取られました。
  権ちゃん  全集を10巻積み上げての冬籠素敵です。読み終えるまで寒い外へは出ませんよ。
  空   孫の可愛さよりも、男の優しさよりも、ひとりでこんな冬籠ができたら、うれしいなあ。
  いつき   読みたいシリーズが「全十巻」、目の前に積み上げられていてしかもこれから「冬籠」! うれし涙が出るというよりは、ヤッホーと叫びたい状況。

もね、不知火、今比古、兼光選
ばあちゃんの子の子のこの子毛糸編む 半角
  もね  可笑しくて可笑しくて思わず涙が出そうになりました。
  不知火  ばあちゃん、娘、孫、ひ孫、みんなよく似て朗らかです。やっぱりばあちゃんが一番編み物上手なんでしょうねえ。
  今比古  まさしく今の私!「のこのこのこのこ」はうれしくも編み進んでいく編み針でもあるよね。
  兼光  やや持って回った表現ではあるが母の血を引き継ぐ我が子に対する愛情とその子のためであろう毛糸を編む作者。きっと遅くに与えられた子であるのだろうか。そして「ばあちゃん」は今、居ないのかもしれないなあと。

果樹、ソラト、人日子、ひでこ選
うちに飲みにおいでよサンタも来るよ  きとうじん
  果樹  何も聞かずに、こんなに軽いノリで誘ってくれてうれしい。
  ソラト  うれしいねえ、なんてホットなワインでも飲んでると、怖いお兄さんが現れたりして。
  人日子   寒い夜、ほのぼのとして思わず涙が出そうです。
  ひでこ   クリスマス大好きです。招待してください。

3点句
松ぼっくり、ザッパー、すだれ選
教へ子の医師に看取られ寒椿 子狐萬浪
  松ぼっくり  これは、「うれし涙が出るような!……」と言うよりは、「大丈夫かな?……」と言うのが本心ではなかろうか、その「嘘」がいい。
  ザッパー  うーむ、最後の会話が知りたい。
  すだれ  旅立たれた人の立場に立ってのうれし涙と思います。未練なくぽとりと落ちる寒椿がきれいです。

藍人、刻舟、一走人選
おばあちゃん大好きのてがみ冬ざくら 柊つばき
  藍人  母子家庭であったので、実質、育ての親は祖母。反抗期、祖母の何もかもが気に入らなくて、毎日のように口喧嘩をしていた。祖母が息を引き取るとき側にいたが、とうとう「ありがとう」の一言が言えなかった。今なら言える。おばあちゃん、大好きだったよ。
  刻舟  子どもは一挙手一投足すべてが愛らしくて、思わず口元が緩みます
  一走人  孫三人いるばあちゃんとしてはジーンとうれし涙が出ますね。マラソンの前に孫がお守りを作ってくれて、ホロリとしたのを思い出しました。

かのん、こまりやま、迂叟選
小春日の柔し匂ひや赤子抱く 蓼蟲
  かのん   孫が可愛い可愛いと聞く昨今、想像しただけで、ウルウルしてきます。
  こまりやま  赤ちゃんてほんとにやわしという感じのいいにおいがしますね。やわらかくてだっこしているだけでひだまりのようなあったかいきもちになります。そんな幸せが思い浮かぶ句でした。
  迂叟  待ちわびた初孫を抱き上げた時でしょうか。思わず匂う赤子の甘い匂い。小春日、柔し匂いにその喜びが表現されているように思います。

だりあ、とりとり、元旦選
冬夕焼そっくりな猫抱き上げる 猫ふぐ
  だりあ  違うかもしれないが束の間の嬉しさ。切ない幸せの涙ですね。
  とりとり  死んでしまったうちの猫ちゃん。あきらめきれないときに出会ったよく似た子猫。あの子を帰してくれたのね、神さまありがとうって、涙が出そうですね。
  元旦  猫の戻って来る句もありましたが、これは行方不明になった猫を見つけ、思わず抱き上げた喜びもつかの間の切なさも漂います。うれし涙と表裏の悲しみの涙に、何だか人生の機微を見るようです。深いなあ〜、うるうる。

錫樹智、雅裕、蓼蟲選
改札に破顔の友や冬帽子 更紗
  錫樹智  ふる里の改札だろうか。懐かしさ、嬉しさ、安堵感満載。
  雅裕  久しぶりに友を迎えた情景が目に浮かびます。
  蓼蟲  亡友が元気だった頃、出張のときよく駅で待ち合わせた。四谷、東京、有楽町、秋葉原等々、改札を出るといつも笑顔で立っていた。この句、悲しいけど、多謝。

みちる、しんじゅ、まくわ選
初夢や時計の針のもどるもどる 三月
  みちる   還暦を過ぎると、色々悪いところが出てきます。こんな初夢を見たらうれし涙が出るでしょう。
  しんじゅ  タイムマシンがあったらね! 戻りたい過去がみんなありますよ。あの幸せの頂点に初夢でもどれたらいいねえ!
  まくわ  そんな初夢が見てみたい、もどるもどるに秒針の逆回しのスピード感を感じます、夢でもひと昔の懐かしい人逹に逢えたら楽しいだろうな。

2点句
たま、しのたん選
期待せぬ息子の優しさ冬ぬくし オパール
  たま  期待せぬとは裏腹の母の思いと息子の強い絆を感じます。冬ぬくしがぴったりです。
  しのたん  便りのないのは無事の知らせと思って割り切っていた息子からの優しさ溢れる気持ち!(プレゼント!)こんな嬉しい事はないでしょう!! ほんとに冬ぬくしです。

十色、ぎんなん選
花八手俺に頼れと言ひはる子 浜田節
  十色  いい息子さんですねー。花八手という季語を使ったことで、息子さんのぶっきらぼうな優しさが見えてくるようです。そういえば、八手の葉も掌を差しのべているような形に見えるかも。
  ぎんなん  未だ時々すねをかじる娘と、なしの礫の息子。我が子にこんなこと言われたらもう号泣です。

お手玉、まほろ選
戻りたる財布に鈴や片時雨 月乃雫
  お手玉  落とした財布はなかなか戻らないらしいですが、良い人に拾ってもらって良かったですね。思はずうれし涙が出ますね。
  まほろ  自分が付けていたであろう鈴が、その財布を自分のものだと証明してくれているよう。中身は語られていないが、きっと無事だったに違いない。鈴の素朴さと、片時雨が象徴する心情が良い。

のび太、犬鈴選
天命や機嫌よく逝く冬の朝 ソラト
  のび太  こんな風に死ねたら……。『冬麗の微塵となりて去らんとす 遷子』を思い出しました。
  犬鈴  看取る側が悲しみの涙だけでいっぱいにならない様に『いい人生だったよ』と穏やかな笑顔で召されていく姿が目に浮かびます。

破障子、雨月選
葛湯まぜ次の雨にはまた来ると 不知火
  破障子  これくらいのささやかな優しさが身に沁みる齢になったということでしょうか。それにしても謎の多い句です。次の雨まで来てくれないのですか? 次回も葛湯作るんですか? そもそもどうゆう関係なんですか?
  雨月  雨が降ると仕事が休みになるのでしょうね。こんな子供がいたらいいな。

すな恵、チャンヒ選
君にだけ褒めてもらえる十二月 ぜぶら
  すな恵  この人に褒めてもらったらチャラだな、ということありますよね。甘すぎない措辞にも惹かれました。
  チャンヒ  一人でも褒めてくれる人がいるのは幸せだ。それが「君」ならなおさら。

ちょっと横道、天玲選
妹の明るき声よ寒昴 コナン
  ちょっと横道  加山雄三、南こうせつにあるように妹は特別のもの。「妹の明るき声よ」ですべてが想像でき、「寒昴」で締めて完璧。九文字も力強い。
  天玲  せつない。抑えた表現が効果的。寒昴の季語から宮沢賢治を思った。

大阪野旅人、清流子選
ありがとう素直に言われ冬苺 りんご
  大阪野旅人  こんな穏やかな句が好きです。季語の冬苺が綺麗ですね。
  清流子  いい句だと繰り返し口にしていると、本当は悲しい句だと気付きました。冬苺がいいですね。

ポメロ親父、小木さん選
忘年会行ってこいやと言はれけり 瑞木
  ポメロ親父  愛されていて何より結構です。
  小木さん  妻が生きていた頃は、そうでした。コトバをかわす妻がいないのはさみしいことですが……。

ゆりかもめ、正人選
失踪の愛猫帰り牡丹雪 みちる
  ゆりかもめ  痩せ細って家に帰ってきたらなおさらでしょう。気持ちが良くわかります。
  正人  「失踪」の重い一語から始まる語順が良かった。悲しみと喜びに牡丹雪が響きあう。

駝楽、き花こすもす選
初雪や母だけ知つてくれてゐて 果樹
  駝楽  そんな時もあったなあと。
  き花こすもす  母に話すと、いつも何となく癒された日々を思い出します。

安、政敏選
ひとひらのさざんか見舞い小さき手に 黄花秋桜
  安  ひとひらのさざんかが温かく、心にしみました。
  政敏  病気の時、幼い孫が見舞いに来てくれるのは何よりうれしいものです。見舞いの品が「ひとひらのさざんか」とは、まことに泣かせる話です。

漫歩、じろ選
初恋の女性と再婚燗熱し 藍人
  漫歩  この句と同じ話を聞いたことがあります。日本酒の似合う年齢と姿が見えてきます。きっと鼻水も滲んでいることでしょう。
  じろ  ありえなさすぎて。きっと夢。

猫ふぐ、エノコロちゃん選
亡き父の古コートから家族写真 魔心地
  猫ふぐ  仕事仕事の父。家族は何時もほったらかしで、一緒に遊んでもらった記憶もなく父を恨んだりもした。父の突然の死から20年……。こんなドラマを見たらわかっていても泣いてしまう。
  エノコロちゃん  いいですねえ。読み返すうちに、私まで、ウルウルと。亭主関白でわりとこわいお父さんだったのでしょうねー。本当にジィ〜ンときました。ドラマのワンシーンみたいですね。

1点句
宝くじ当てて初夢年の差婚 まんぷく
  逆ベッカム  晦日に宝くじ当てて、初夢が年の差婚なんてうれし涙も出ますがな。目が覚めたら古女房の膝枕なんて……お後がよろしいようで。

金釘の文字の届けし冬林檎 すな恵
  あねご  実家からの荷物が嬉しいだけではなくてその気持ちが届くのが嬉しい。上五中七を冬林檎がしっかり景を広げてくれます。

地鳴りするオグリコールや注連飾る 元旦
  桜井教人  競馬は血のスポーツだが、オグリはオグリで終わった。オグリの生い立ちとあの復活劇を忘れることができる競馬ファンは存在しない。東京1600mなら、オルフェーブルにだって負けるはずはない。

老鶯はマサチューセッツシュウと啼けり  えりぶどん
  コナン  老鶯がこんな啼き方とは知りませんでした。知っただけでも良かったと思うのにもし聞けたら「やったァー」と心の中でバンザイをするでしょう。

当選の八ケタ揃う年の暮 和音
  レモングラス  うれし涙というより心臓バグバグ卒倒となりそうだが、まずは目出度い。

おかあさんありがとうとある年賀状 とりとり
  朗善  これは、思わずうれし涙が出るよね! うらやましいっす。

初夢や三億円の使い道 西条のユーホふき
  ノムケン  ぼくもそんな夢を見てみたい。

運動会どべに今日だけ父やさし 諒和
  さかえ  もの静かな父さんでおもいやりのある方なんでしょう。

春の来る君の言葉のありてこそ ちろりん
  ペプチド  暗く冷たい冬が、明るく温かい春に変えてくれる力を持つ言葉の存在が感動を生み、思わずうれし涙が出てくる様子に共感しました。

ハグしてもいい?小春日和のやうだから 紗蘭
  紫水晶  それはもう、優作(松田)だったりしたら、なんて、妄想してしまいました。小春日和は誘惑の優しさに満ちてますね。

縁側に猫丸まりて日脚伸ぶ よしかわちょうめい
  しゅん  当たり前の日常が当たり前に存在する。これ以上うれしいことはないのだと思います。

風花の朝再会し初デート 西条の針屋さん
  サキカエル  幼なじみなのか同級生なのか、ずう〜っと心の中にいた人なんでしょう。私も亡夫との初デートを思い出させてくれました。ありがとう。

助っ人の諭吉舞い出た十二月 さかえ
  西条の針屋さん   年末の懐のさびしい時に買い物したく「欲しい」と思って迷っていたら数枚の一万円札(諭吉さん)をすっと出してくれた時に「思わずうれし涙が出そう」になるでしょうね。

不良の子フンと差し出すお年玉 生糸
  柊つばき  思いもしない子どもからのプレゼントはうれしい。まして絶対ありえないと思っている子どもからもらうと、泪が出てしまうほどうれしいと思います。

挫折越え独り立つ子や野水仙 青柘榴
  えつの  うれし涙が出ます。季語がピッタリです。元気で、感謝の気持を忘れずに……。

ママよりもパパが大好きお年玉 ザッパー
  ほろよい  父親ってあんまり、存在感が無いよねー。

へこたれた日は猫寄りて玉子酒 ゆりかもめ
  ぜぶら  へこたれた日は泣くにも泣けず、センチメンタルな風だけがふわふわ流れるものだけど、猫ちゃんのおかげで思わずホロリと泣いてしまったのだなあ。「愛しい」って気持は、ココロをあったかくするね。

親分が誉めていたよと玉子酒 錫樹智
  りんご  寒い冬に心も体もほんわかとあたたかくなってきました。自分が褒められたようでちょっとうれしかったです。

冬の宿ジャストフィットとささやかれ 未々
  ひかるん  冬の宿、私達そしてどうするの、私達そしてどうなるの。

冷たかろ風邪をひくなよ俺がやる 大阪野旅人
  三月  ストレートな句ですが思わずとってしまいました。

初霜や瓦礫の町のマンドリン 正人
  西原みどり  被災地で心細く迎える冬。マンドリンのやさしい音色で、一時心が温かくなったのでしょうね。

嫁ぐ娘と語りて歩む紅葉山 権ちゃん
  えりぶどん  照れ屋の父は嫁ぐ前夜さっさと布団に入り出てきませんでした。だから羨ましい。

覚えたての字で書く俳句実万両 まとむ
  月乃雫   字をようやく書けるようになった子が作った俳句はまさに実万両のように温かな色に輝いているでしょうね。100年俳句計画万歳!!

帰りこよ蜜柑かおりて島ぬくし たま
  唐草サ行  年末に櫻島こみかんの話を母としたことを思い出しました。ぬくしが良いですね。

どこまでも二人三脚冬うらら だりあ
  ケンケン  いつかステキなアラフォーの女性に言われてみたいですね〜。

覆水盆に返る三寒四温 チャンヒ
  山野遊造  反省することしきりの今日この頃、こんな事があればなぁ〜。

お年玉社会に出たる我子より まるにっちゃん
  まんぷく   三人の子育ての終盤戦を戦っている私にとってこの句が一番うれし涙が出そうなので一票。

初出品初入選の秋季展 すだれ
  橘三拍子  初出品で入選なんてかなり才能のあるかたなんですね。入選お目でとうございます。

今月の無点くん 
お歳暮に買いたき物のドンピシャリ お手玉
薄給に皺の手の札やぶ入りや 桃林
真心の感謝に添ふるフリージャー かのん
椿の実殻を破れと言いし人 政敏
橋のため僧が柱に霜降りる 親タカ
冬青空義眼にも青の空 兼光
クリスマス光織りなす鎮魂歌 ペプチド
認知症の妻に寄り添い冬帽子 郁
他力よし鍋焼きうどん自力よし 亀城
霜柱戻つて来たる免許証 もね
園児らの息合ひバルーン寒の空 レモングラス
大拍手性転換のべらの雄 迂叟
水仙花曽孫抱けば背の伸びる 今比古
冬雲雀天が生贄いらんと言った 清明
籤券に春光差せるまま固まる まほろ
健やかな産声秋の夢叶ふ 人日子
猫の手も借りたい師走に貰う差し入れ サキカエル
平らかを一途に感謝年籠る 紫水晶
初夢は伊佐爾波神社へマドンナと 波留夫
風花や大好きだよと言われたの のり茶づけ
先生は覚えていたと十二月 あき
男孫婆々のおふとん敷きてくれいる 信野
百万円出そうと言はれ木の葉髪 遊人
ゴスロリの夢から脱し雪女郎 破障子
全員が〆切り守る小雪降る いつき
付箋紙にいいところだけ年の暮 唐草サ行
百年後、ずっと続くよいつき組 ケンケン
末っ子の就職内定冬麗 ぎんなん
風呂敷をほどけばクリスマスケーキ ポメロ親父
夕時雨傘さしくるる女高生 えつの
いつき組五点選ばれ春心ち 橘三拍子
小春日の車内販売員美人 桜井教人
妻を呼ぶ胃ろうせし義母深雪晴 山の風
一つずつ障害超えて晦日かな 駝楽
師走の夜兄帰還終戦迎う 炉草
お話はハッピーエンド小六月 しんじゅ
ひとすじの涙の文や冬苺  狸穴けら
何なくもクリスマスイブ君といる 輝女
煮炊きしてわれを待つ夫冬灯し 朗善
子にもらう厄除けブレス冬ぬくし もんきち
水鳥や三年越しの初デート のぶのぶ
君あらば他は望まぬ豊の秋 カシオペア
トンネルを抜けて水曜句の春光 松ぼっくり
冬木立初の産声高く細く あん
百万本の薔薇と抱擁聖夜燃ゆ ひかるん
小春日や幼子はパパ大好きで 十色
銀杏落葉魔法の杖で一万円 逆ベッカム
ナイアガラ飲み込まれてく寒昴 久乃
嬰のこえ空へと溢る冬夕焼 牛後
子と孫のエール冬ざれのゴール 一走人
大津波生還のニュース春分の日 エノコロちゃん
アルバムのかたたたきけんクリスマス 雪花




第171回兼題
「竜」を含んだ句
出題者 烏天狗さん

1 竜も龍もおなじものぞとりゅうの玉
2 陽炎や土竜でありし吾が前世
3 つまみたる竜頭ちりちり春隣
4 朧月竜の寝息の白き渦
5 春待つや竜宮城は復旧中
6 陽の差して地にわだかまる臥竜梅
7 冬空や冷気の中を爆ぜる竜
8 正月や干支にドラゴンいる不思議
9 初東雲竜と一緒に登らうか
10 踏みつける子らは恐竜春の泥
11 龍天に登り天女をそそのかす
12 龍天に登り竜馬は海を向く
13 春雷の竜目覚めるや兵馬俑
14 縦横無尽の土竜や山笑ふ
15 パフという名の竜のいた町に春
16 草の芽のぐんぐん竜田揚日和
17 如月や目玉ぎょろりと雲竜図
18 飛竜頭の真ん中へこむ春立つ日
19 春一番エルマーと竜ひとっ飛び
20 恐竜のヒィギュアに追われる初夢をみた
21 早春や竜に乗りこよ求婚は
22 竜の落し子傾いて春愁ひ
23 黄砂しきりそろそろ竜が目覚めたか
24 竜の玉他人(ひと)より三倍生きる術
25 修司忌や母彷徨へる竜飛崎
26 独眼竜スープひとくち牡丹雪
27 本マグロ跳ねて竜飛に春の雪
28 竜神よみずほの国を頼みます
29 人災の竜天へ吐く原発機
30 笑ってる賀状の竜の角はV
31 竜浸して縁あをいろに春の水
32 春雷を閉じ込む滝を欲しけり
33 竜笛の奥より生れし春の風
34 竜童の辿る港の冬薔薇
35 竜の口浄めの水よ遍淨院
36 歌合戦冠二郎(じろう)の歌うのぼり竜
37 麗らかな竜のお腹にある宇宙
38 竜の巣はどこにあるのさ雪女
39 露けしや恐竜のみる空の青
40 ごらんあれが竜飛岬の春の月
41 春光を纏う御手水竜の髭
42 黄金週間ブルースリーの三部作
43 春風のからから土竜脅しかな
44 竜の子を産みたる朝の霞かな
45 朧月飼ひ馴らしたる銀の竜
46 球春や今年も竜は爪を研ぎ
47 父は竜母は虎年兎飼ふ
48 竜踊る赤ランタンの春節へ
49 竜胆や籠いっばいに感謝の日
50 毀家(こぼちや)の縄の囲(かこひ)や竜の玉
51 春霜の最中の土竜塚の夢
52 竜の舞う祈りたるごと冬神楽
53 恐竜のたまご愛の日のお返しは
54 誰も気づかず竜の玉竜の玉
55 竜の如「肱川あらし」海へ出る
56 恐竜を一億年見冬の月
57 竜天や鳩とことこと坂上る
58 火を吐かぬ竜は菫を愛しけり
59 飲み干せるどんぶりの底春の竜
60 道草や春竜胆とランドセル
61 永き日に竜の子プロのアニメ見て
62 竜馬も見しか立春のこの海を
63 竜族の王の末裔たる余寒
64 竜の玉昔の子女の弄(あそ)びもの
65 夢持って熱く翔びたい今年こそ
66 春霰や龍をみごもる夢をみて
67 玉竜の青玉ポンと突き鉄砲
68 真っ直ぐに切下げ竜馬死す
69 春竜胆小声で足りる大阿蘇野
70 竜の玉日々いっぱいを抱えてる
71 恐竜のしっぽの骨に春の雨
72 行く春の指や竜頭を巻き終へる
73 竜の髭目立たず地味に辰年も
74 ぼろぼろの恐竜事典冬の雷
75 竜天に登る試食の宇宙食
76 竜の玉心ゆくまで遊ばれよ
77 竜骨に戦の匂ひ春の浜
78 朝青竜ジンギスカーンと野を走る
79 春の夜の竜頭の音がどこからか
80 かつて竜の玉がみんなの原子核
81 音にしっぽ生えたる竜や温む川
82 はじまりはあなたのせいよ竜の玉
83 鳴き竜の眼居ゆるむや梅香る
84 名は竜子干支は寅年福笑
85 竜巻や人知及ばぬ三寒四温
86 綿虫四文字熟語竜頭蛇尾
87 竜の髭ほどの緑や雪解ける
88 雪の大阿蘇竜峰を飛ぶ空翔る
89 長男に竜の一文字春立ちぬ
90 遠眼鏡二重にみえる竜の玉
91 子の手から躍る竜の字元旦や
92 懐手して臍をかく竜馬かな
93 年新た内なる竜の育てかし
94 息白し電気の前で竜巻に
95 梅一輪願いはひとつ青竜寺
96 亀鳴くや竜舌蘭の液体に
97 竜の絵をめくれば松や初暦
98 翼竜の住みし穴より花薊
99 竜の玉まけばカワセミ色の空
100 早春の川竜のごと白く涸れ
101 竜ヶ洞おののくばかり水の音
102 竜骨座地平すれすれ春隣
103 桜餅ツッパリ竜二も老いにけり
104 注目度百パーセントの竜の玉
105 おかえりと朱色の竜の金のひげ


次回兼題「動物を詠んだ句」をテーマに 出題者 牛後さん
次々回兼題「本、書籍」をテーマに 出題者 すな恵さん

【兼題の分類】
季語「xx」 … 副題含む季語を入れる。
「xx」をテーマに … 内容に沿って詠む。
「xx」を含んだ句 … 単語そのものを詠み込む。



めざせ!大漁旗(167号〜173号)
 誌上句会「ザ 句会『鰯の歯ぎしり』」では、選んでくれた人の数をすべて集計し、半年間で最も点数の多い方が「大漁旗」を獲得します。大漁旗を得た方は「最新十句」を本誌誌上にて発表することができます。

〈参加方法〉
 1 「今月の投句」から好きな句を選ぶ。(選句)
 2  その句の感想を書く。(選評)
 3 「次回兼題」の一句を書く。(投句)
 ※1〜3、俳号(本名)、〒住所、電話番号を明記して、編集室「ザ 句会」宛にお送りください。一人一句まで。選句は番号と俳句を共に記入して下さい。
  番号はお間違えなく!

  今回の締切は3月6日(火)必着です。
 Eメール宛先 kukai@marukobo.com
 インターネットや携帯電話から下記の場所にアクセスしていただくと、専用のフォームを使って簡単に投句&選句ができます。
 http://www.marukobo.com/kukai/


【現在の捕れ高】

19点
半角

17点
みちる

14点
いつき

13点
あき

12点
すな恵

10点
十色

9点
すだれ
瑞木
元旦
犬鈴


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100年俳句計画 掲示板


 夏井いつきの出演執筆一覧

テレビ/ラジオ
NHK総合テレビ(愛媛ローカル)
 「えひめ おひるのたまご」内『つくって映像☆はい!一句』
  3月13日(火)11時40分〜
※俳句募集中(兼題ムービーと投句はこちら↓のURLから)。
http://www.nhk.or.jp/matsuyama/hirutama/

南海放送
ラジオ「夏井いつきの一句一遊」
 毎週月〜金曜日 10時〜10時10分
※ 投句募集中の兼題や投句宛先は、「一句一遊情報局」のページをご参照下さい。


執筆
Pioneer Sound Lab. 音俳句
http://pioneer.jp/soundlab/
  ウェブサイト上に組長の選評が毎日一つ発表されます。投句も受け付けています。

愛媛新聞
 「集まれ俳句キッズ」毎週土曜日

愛媛新聞(キム チャンヒ)
 「ヘンデス俳談」毎月第一土曜日 兼題「桜」締切 … 3月28日(水)


イベント
ぶんぶくお泊まり句会
 3月3日(土)17時現地集合
 場所…民宿漁亭(大洲市長  浜甲1014ー18)
 18時〜 食事+句会、宿泊、  朝食付き
 参加費 15000円程度
 申込締切【2月29日(水)】
 ※先着10名
 申込先 info@marukobo.com

スポレク部企画春のハーフゴルフ吟行会
 3月4日(日) 9時現地集合
 場所…伊予カントリーゴルフ(伊予市大平甲1392)
 参加費 3000円くらい(昼  食代込み)
 初心者OK スニーカーOK
 申込締切【3月1日(木)】
 申込先 info@marukobo.com

五十崎俳句凧審査会
 3月8日(木)

道後温泉まつり協賛吟行会
 3月20日(火/祝)

大花見大会
 4月1日(日)8時〜20時
 道後公園内(愛媛県松山市)
 開催時間中ならば、いつ来ていつ帰ってもOK!
 第一回「大人のための句集を作ろう! コンテスト」表彰式も同日開催!(10時〜 子規記念博物館にて)


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魚のアブク


読者から寄せられたお便りをご紹介
お便りお待ちしています!
100年俳句計画編集室「魚のアブク」宛、もしくは互選や雑詠欄への投句に添えてお寄せください。

編=編集スタッフ

第5回「句集コン」へ感想
浜田節 「夏休み句集を作ろう! コンテスト」の子ども達、恐るべきです。素晴らしすぎです。こんな言葉を、こんな心を五七五に並べる感性。平凡なただ俳句好きのおばさんは100%脱帽しました。どうぞこれからの成長の過程、俳句を忘れずに。それにこんな小さな子ども達へ100年の未来を託すいつき組はやっぱりすばらしい!!
ゆりかもめ 八塚大輝さんの俳句はすばらしかったです。小学校6年生にして実力十分です。どの俳句も好きです。
杉山久子 今年も力作ばかりでショックを受けながら読みました。八塚大輝君の受賞コメント「一句一句の俳句の種と季語がピッタリ合わさって絶妙なバランスの句になるように凄く気を付けた」深く胸に刻みました。気をつけねば!
えつの 入賞作品を読んで、考え方がしっかりしていて感心しました。
編 一気に四通のお便りを紹介。3年後、4年後には彼らの世代が俳句甲子園に出場するかと思うと胸が熱くなります。「大人たちも負けてられん!」ということで第1回「大人コン」の結果は来月号発表。

季語付スケジュール帳活用法?
き花こすもす 毎月の「くらむぼん」、いつも〆切間際の三句ひねり出すのが大変な投句でしたが、今年からは季語付きスケジュール帳のお陰で、三句選ぶのが大変、うれしい悲鳴でした。ありがとうございました。
柊つばき 一月号でもらったカレンダー毎日の季語を使って日記風に句を作っています。いまのところ続いています。
編 俳句を作り置きしておくとなにかと便利。実は一日一句に挑戦してる人は多い?

表紙裏の写真部
すな恵 2月号の写真部の「線」というお題の写真、どれも日常の中から切り取られているのに、不思議な断面を見せていて、素晴らしかったです。
編 写真を趣味にしてる組員さんは多いんだとか。写真部員募集中。

マラソンと俳句
輝女 この冬は8年ぶりに松山にも雪が積もり大変でした、北国に比べれば笑われてしまいそうですが……。愛媛マラソンの日でなくてホントによかったと思いました。走られた皆さん、応援に行かれた皆さんお疲れ様でした。
編 愛媛マラソン吟行会の結果報告は本誌5月号予定。組長ブログ「100年俳句日記」コメント欄に掲載中のねこ端石爆笑マラソン秘話を読みながらお待ち下さい。

唐草サ行 愛媛マラソンお疲れ様でした。私も2月19日第一回熊本城マラソン大会に参戦です!! 走りながら吟行してみたい。
編 熊本にもランナー俳人が! マラソン&吟行の結果は如何に?

集え、へたうま俳人!
コナン こんにちわ「へたうま仙人さん」よろしく。初心に帰ってやってみます。
未々 3月締切分からなどとかたいことをおっしゃらないでください。私はもう今月締切分から「へたうま仙人」さまに投句することにしました。よろしく御指南ください。
編 来月号から雑詠欄は「くらむぼんが笑った」と「へたうま仙人」の二つにわかれます。詳しくは今月号17ページのQ&A欄「くらむぼんが困った」をご覧下さい。どちらを選ぶ人もぜひご一読を。

しれっと最終回『季語のおじさん』
すな恵 季語のおじさん最終回!? 季語太郎との体温の低い会話が好きでした。
編 一部からコアな人気を博していた『季語のおじさん』。この低体温がたまらない。

2月号「ザ 句会」フォームの誤記
雨月 投句フォーム53番の句が本誌に載っている句と違っていると思うのですが……。〆切の句だったので思わずチェックしてました。いつもお世話になっています。〆切は守ります。
編 差し替え依頼を受けた句がフォーム上で修正されずに残っていたようです。失礼致しました。本誌掲載分が正しい投句になります。

はじめての句会体験
ゆき 初めて東京の句会に出席させていただきました。夏井先生、メンバーの方にお会いできて感激でした。楽しかったです。句会のパワーを強く感じました。
編 句会に参加してみるのも俳句の楽しみの一つ。元気でるよね。

俳号が変わります。
十色 この度、俳号を「鞠月」から「十色」に変えることにしました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。俳号の漢字の説明がとっても楽になりそうです。
編 「俳号どんな字?」と問われて困ること、あると思います。俳号が変わっても「ザ 句会」の得票数は引継ぎますのでご安心を!

新メンバー&復活メンバー
八十八 今月号から、初めて投句します。よろしくお願いします。
編 はじめまして、よろしくお願いします!

安 2月号「ザ 句会」では、俳号「あん」になっておりましたが、漢字の「安」でお願いします! しばらくサボっていてあまり投句できていませんでしたが、またぼちぼち頑張って作ります。
編 自分のペースで楽しめるのが俳句のいいところ。よろしくです!

追悼
こぼれ花 句友、徒長枝さんが亡くなられました。梅の枝が伸びる頃にはきっと彼を思いだす事でしょう。
編 俳句は哀しみを乗り越える杖にもなります。命日には亡き句友に捧げる追悼の一句を唱えたい。

組員の生活
大塚めろ 野良生えの菜っ葉を食用菜の花だと確信して育てていましたが、どうも蕪みたいです。「蕪」だと主張してきました。得したか損したか微妙です。
編 得してるに一票。というか見事に育て上げてるのがスゴイ。

魚のアブクスピンオフ企画?
編 編集室からお知らせです。魚のアブクコーナーで紹介しきれなかったお便りをマルコボ.コムブログ「マルコボ通信」(http://info.marukobo.com/)にて紹介していく企画を計画中です。目標は毎日更新。3月頃から開始予定。今後ともお便りお待ちしております!!


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鮎の友釣り

166

俳号 すな恵

牛後さんへ 釣っていただいて光栄です。牛後さんの俳句はもちろん、WEBの週刊俳句での連載「牛の歳時記」も大好きです。皆さんもどうぞご覧ください。

俳号の由来 都筑道夫の「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズの主人公「砂絵のセンセー」よりいただきました。

俳句と私 学生時代の国語の授業では、古文は大好きで詩歌は苦手。実はいまでも現代詩は苦手なジャンルです。そんな私でもはまらせてしまう俳句の懐の深さ。「モノ」に語らせるという面白さの中で、自分のできる俳句を地味に続けていきたいと思います。

写真 私の勤める書店のアイドル猫「梅ちゃん」です。

次回…まくわさんへ 「若水は小さな鈴の音の粒」大好きな句です。某SNSでお知り合いになれましたので、今後もそちらでもよろしくお願いいたします。


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告知


春のハーフゴルフ吟行会

今年はオリンピックイヤー! そこでアクティブな俳人の皆様にも朗報です。先日の愛媛マラソン吟行を皮切りに、3月にはハーフゴルフ吟行、6月には恒例泥んこバレー、10月にも企画を計画中!
 出なきゃ損!やらなきゃ損々!の俳人魂で、あなたも果敢にスイングしてみませんか?

第一回いつき組ハーフゴルフ吟行会(雨天決行)
 日時 3月4日午前9時集合
 場所 伊予カントリークラブ(ショートコース)
    伊予市大平甲1392
    電話089-982-4496
 参加費 3000円(昼食代込み)

※競技方法の詳細は当日現地にてお伝え致しますが、基本的に初めての方はグリーン上からパターにてプレー、各組に必ず経験者を配置しハンディはWペリア方式とします。
 道具も会場でレンタル出来ますので運動の出来る服装と運動靴でお越し下さい。
 尚、あくまでも吟行を兼ねてますので句帳もお忘れなく!

欲言へばきりがないです春隣 きとうじん



今年もやります!
毎年春の恒例 いつき組スポレク部大お花見大会2012

日時 2012年4月1日(日)8時〜20時
場所 道後公園内(愛媛県松山市)
開催時間中ならば、いつ来ていつ帰ってもOK!
※食べ物、飲み物は各自ご持参下さい。
※ゴミは各自でお持ち帰り願います。
※チャリティーミニ句会ライブあり。
雨天の場合の情報は当日、ブログ「マルコボ通信」(http://info.marukobo.com/)でお知らせいたします。
当日の連絡、問い合わせは、スポレク部本部長きとうじん(090-2821-6520)まで。



100年俳句計画投稿締切カレンダー

 
 2/29(水) くらむぼんが笑った&へたうま仙人
 zatsuei@marukobo.com

 3/6(火)
  ザ 句会
 kukai@marukobo.com
  100年の旗手感想
  魚のアブク

 3/31(土)
 くらむぼんが笑った&へたうま仙人
 100年の旗手推薦募集

 応募先
  〒790-0022 松山市永代町16-1
  (有)マルコボ.コム内
    100年俳句計画編集室
  FAX 089(906)0695
  E-mail magazine@marukobo.com
 宛先/件名に、どこのコーナー宛かお書き添え下さい。俳号/ご本名/住所/電話番号もお忘れ無きよう、よろしくお願いいたします。
 ※ページの都合上お便りを全て掲載できない場合がございます。ご了承下さい。


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マルコボショッピング


マルコボ.コムのショップ店長まほろがアナタにオススメする逸品!
オンラインショップでは様々な商品を取り揃えて皆様のご来店をお待ちしています。


渡部ひとみの作品2点をこの春限定のお求めやすいセットでご用意いたしました!

旅立ちと出会いの春ギフト
写真と俳句の作品集『再会』+ 森になった街
期間限定セット(2012年4月30日まで)
セット特別価格 2000円(税込み)
※期間内にセット商品をご購入いただいた場合の価格です。単品商品のご購入は定価となりますのでご了承ください。


写真と俳句でつづる別子銅山
森になった街
俳句/エッセイ:夏井いつき
写真:渡部ひとみ
A5判/120ページ
ISBN4-9901404-0-0 C0192
発行:社団法人 新居浜市観光協会


写真と俳句の作品集
再会
写真/俳句:渡部ひとみ
13.5cm×13.5cm/24ページ(表紙含む)
フルカラー
発行:マルコボ.コム

コメント
旅立ちと出会いの季節。ギフトにもどうぞ
様々な視点から撮影されたお洒落な写真と、それぞれの写真に添えられた春の俳句。写真と俳句の作品集『再会』は、そのタイトルにもあるように、春の旅立ちや出会いの中に訪れる「再会」がテーマです。
 そしてもう一冊は、かつて別子銅山で栄えた街を巡り、夏井いつきの俳句/エッセイと、渡部ひとみの写真で綴った『森になった街』。各ページの俳句と写真は、ミシン目で切り取ればポストカードにもなります。
 この春、大切な人へプレゼントを贈ったり、お便りを出したりしてみませんか?


マルコボ.コムオンラインショップ
http://shop.marukobo.com/



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編集後記


 僕の子どもの頃は、マンガを描いては、ホッチキスで製本し、家族や友人に回覧しては、その反応を楽しみ喜んでいた。中学生になるとコピー機を使い友だちと同人誌を作ったり、大学生の頃も学生会館の輪転機で文芸&マンガ雑誌を作り、学生生協で販売してもらっていた。自分の作った物を複製し、沢山の人に読んでもらい、そして笑顔になってもらうのは、どうしようもない快感。
 そんな楽しみを、俳句を愛する子どもたちにも味わって貰いたい、という思いで作ったのが、特集で登場したプログラム。
 今の子どもたちは、インターネットを使って、簡単にいくらでも俳句を発表したり批評することができる。でも、実物の本を作り、ページを手でめくる楽しみは、どんなにコンピュータが進化しても味わえないように思う。
 このプログラムによって、子どもたちが、偉い先生に褒めて貰うために俳句を作るのではなく、目の前の友人を楽しませるために作る喜びを知ってくれたら一番嬉しい。
 もちろん、このプログラムを使って、大人がミニ句集を作ってもいい。僕もいろいろと作ってはほくそ笑んでいる。
(キム)


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次号予告 (173号 4月1日発行予定)


次回特集
第一回「大人のための句集を作ろう!コンテスト」結果発表
主催 (有)マルコボ.コム
共催 朝日新聞松山総局/松山市教育委員会(松山市立子規記念博物館)
協賛 日本俳句教育研究会
 表彰式
  2012年4月1日(日)午前10時〜
  松山市立子規記念博物館にて


HAIKU LIFE 100年俳句計画
2012年3月号(No.172)
2012年3月1日発行
価格 600円(税込)

編集人 キム チャンヒ
発行人 三瀬明子